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自動走行ビジネス検討会、レベル4に向け報告書を公表

2021/04/30

国土交通省と経済産業省は4月30日、令和2年度の自動走行ビジネス検討会において、無人(レベル4)自動運転サービスの社会実装に向けてそれまでの実証プロジェクトの成果を踏まえつつ、今後5年間で取り組む次期プロジェクトの工程表等の検討を行ってきた議論に関して報告書「自動走行の実現及び普及に向けた取り組み報告と方針Version5.0」を取りまとめたと発表した。

同検討会では、無人自動運転サービス(レベル4)の社会実装に向けて、
(1)今後5年間で取り組む次期プロジェクトの工程表
(2)実証実験の実施者の協調による取り組みの推進
(3)今後の協調領域として取り組むことが考えられる課題
の3点を報告書に取りまとめている。

●報告書のポイント
(1)無人自動運転サービスの実現および普及に向けた次期プロジェクト工程表
令和元年度の自動走行ビジネス検討会で策定した「無人自動運転サービスの実現及び普及に向けたロードマップ」の方向性に基づき、以下の4テーマについて検討を行い、2025年度までの5年間に取り組むべき次期プロジェクトの工程表を作成した。
・遠隔監視のみ(レベル4)で自動運転サービスの実現に向けた取り組み
・さらに対象エリア、車両を拡大するほか、事業性を向上するための取り組み
・高速道路における隊列走行を含む高性能トラックの実用化に向けた取り組み
・混在空間でレベル4を展開するためのインフラ協調や車車間・歩車間の連携等の取り組み
 
(2)無人自動運転サービスの協調による取り組みの推進
自動運転実証実験の実施者が、安全かつ円滑に実証実験に取り組み、事業化を目指すことができるよう、実証にあたり留意して欲しい事項や協調に向けた取り組みの方向性をとりまとめた。
 
(3)今後協調領域として取り組むべき課題の整理
 日本が自動走行の分野で国際競争力を維持・強化していくためには、これまでの協調領域の取り組みを引き続き推進するほか、自動走行を取り巻く新たな動きを踏まえ、競争と協調の切り分けに留意しつつ、協調領域を深化・拡大していくことが期待されている。そのため、今後の協調領域の課題として、次期プロジェクトでも挙げられている以下の5つの点を中心に取り組むこととしている。それらは相互に関連しており、横断的な視点も含め取り組むことが重要としている。

・ODDの類型化
 ODDを類型化し、それに応じてセンサ構成等のモジュール化やリスク評価手法のパターン化を行うことで、他の地域に円滑に横展開する方策を検討。

・遠隔監視等の人の関与の在り方
 緊急時の場合の遠隔監視等の人の関与の在り方やHMI等システムと人の連携の在り方を検討。

・レベル4サービスの関係者間の役割分担の在り方
 従来運転者が担っていた運行から維持管理や保守点検までの義務や役割について、関係者間の役割分担の在り方等を検討。

・センサ・データ様式等の共通化/標準化
 ADAS向けの技術や他の移動手段、インフラ側とのセンサー・データ様式等の共通化や標準化を行うことを検討。

・インフラ連携の仕組み
 インフラ側のセンサからの支援やレベル4に対応したインフラの整備を行う場合の維持管理や収益モデル等も含めインフラ連携の仕組みについて検討。

●公表資料
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/jido_soko/20210430_report.html

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