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物流連、トラックEV化への意見や要望を発表

2021/04/23

(一社)日本物流団体連合会は4月16日、国土交通省と経済産業省が主催する「カーボンニュートラルに向けた自動車政策検討会」の第3回会合で、会員企業へのヒアリング内容をもとに、トラックEV化への課題や要望を発表した。

まず物流業界の現状について、トラック業界は中小事業者が支えていることや、大手を含め運行コストの上昇分は荷主に転嫁できない現状があり、EVトラックの普及には車両単価の低下、補助金等の措置、および10年以上の耐用年度を持つ車両が必要とした。

続いて商用車のEV化について、近年、日本ではEVトラックのラインナップがほとんど増えておらず、導入には海外の事業者に頼ることが多いことから、日本メーカーが多彩なニーズに適合するEVトラックを大量かつ安価に提供できる生産体制が必要とした。

用途別では、ラストマイルは市街地であれば走行距離50km程度/日で実用可能で現状のEV技術で耐用できるので、車両単価と充電設備が課題とした。

近距離トラックでは、導入している事業者は少数で、背景として性能の上昇は僅かなのに車両価格が高騰し導入しても採算がとれないとの声があると述べ、走行距離は最小でも100km/日、理想は200km/日とし、調達、運用含めた運行コストが課題とした。

長距離トラックでは、走行距離は最小でも500km/日、理想は1,000km/日が望ましく、現状の技術ではまだ開発段階には至っていない、FCVには可能性があるものの、実用化には全国のSA等で夜間も含め24時間体制で燃料供給が必要とした。

最後に、物流業界カーボンニュートラルへの課題について、昨今のドライバー不足も踏まえ、鉄道や船舶へのモーダルシフトや中継輸送に転換したり、パレット等の規格の標準化の推進、リードタイム延長による積載率向上を進めたりすることで、物流の環境負荷軽減が可能であると述べた。

カーボンニュートラルの実現に向けては、EV化のほかに、国をあげて運び方を変えていくこと、そのためにはリードタイムに余裕を持たせる働きかけや中継基地の整備等、運び方を転換する環境を作っていくことが重要とした。

●第3回検討会(令和3年4月16日)発表資料
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr10_000049.html

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