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山善/アセントロボティクス、資本業務提携

2021/03/05

(株)山善およびアセントロボティクス(株)は3月5日、今年1月31日にアセントへの資本出資を伴う業務提携契約を締結したことを明らかにした。山善は3月にアセントが発行するCE(コンバーティブルエクイティ)型新株予約権を取得して資本出資し、アセントは調達した資金を活用して開発を加速する。

●資本業務提携の概要および目的
山善は省人化・自動化ロボットをはじめ、工作機械や産業機器、機械工具等、生産現場の設備機器を幅広く取り扱っており、特に生産現場への導入においてこれまで数多くの実績を持つ。日本を含め世界16か国の主要都市に販売拠点を配置するなど、グローバルに販路を拡大している。

一方、アセントはAIを活用した知能ロボットや自律移動ロボット向けのインテリジェントソリューション群を開発しており、主に製造・物流業向けに同インテリジェントソリューションを活用したソフトウェアの販売・提供を開始している。

今回の提携により、山善はアセントのソフトウエアソリューションが搭載されたロボットシステムを、同社の有するグローバルな販路を活用して国内外に広く販売を開始する。

今回の業務提携により、従来の取扱商品に加えて、新規顧客の開拓や差別化した省人化・自動化提案を積極的に推進していく。

アセントは調達した資金を活用して研究開発のさらなる加速を図り、タイムリーに急拡大する自動化ロボット市場に向けて魅力的なソリューション群を導入するほか、山善の有するグローバルな販路を活用し、今後の業容の一段の拡大を目指す。

●事業展開
提携第1弾として、アセントはロボットシステムの導入前のティーチング(教示)プロセス等に多大の時間とコストが必要だったことから自動化ソリューションの導入に二の足を踏んでいた中小の製造業向けに、「Ascent Pick 1.0」(注:数値はバージョンを指す)をベースとしたソリューションの販売を開始している。「Ascent Pick 1.0」とは、煩雑なティーチングプロセスが不要で、部品とロボットハンドのCADデータを用いてAIを事前に学習させることで、バラ積みされた部品を正確にハンドリングすることを目的とした、ライトウェイトな自動ピッキングソフトウェア。様々な種類のロボットアームとも組み合わせて搭載可能で、汎用性もその特長の1つ。さらに「Ascent Pick 1.0」のラインナップとして、正確な部品の配置も可能にした「Ascent Pick & Place 1.0」のPoC運用を開始した。今後開発が予定されている次世代「Ascent Pick 2.0」では、最先端の3Dビジョンセンサ群の導入により、より高速・高精度・複合的な動作を可能にすることで、需要が急拡大している大規模製造・物流業界向けのAIロボットソリューションの提供を開始するほか、統合的なソフトウエアソリューションの構築により、さらに幅広い業界・企業における省人化・自動化ソリューションを推進していく。

●アセントロボティクス(株)
2016 年に創業した、国際色豊かな研究者や技術者の集団で、代表者である久夛良木健氏の指揮の下、業界をリードするパートナー企業や研究チームと手を取りながら、産業用および自律移動ロボットのためのインテリジェントソリューションを開発している。

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