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大手コンビニ3社の店舗共同配送実証実験結果を公表

2021/02/26

内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)と(公財)流通経済研究所は2月26日、SIP「スマート物流サービス」において2020年8月に実施した大手コンビニエンスストア3社によるチェーン横断的な共同物流の実証実験に関する詳細な評価結果を発表した。

研究代表機関:(公財)流通経済研究所

コンビニエンスストアは全国で約5万6,000店舗あり、駅前の商業施設や大学、病院等、様々な施設に展開するほか、大手コンビニ3社であるセブン‐イレブン、ファミリーマート、ローソンは災害対策基本法に基づく指定公共機関にも指定され、社会インフラの役割を担っている。

そのため、安定的な商品供給を可能とする物流網の維持・構築は非常に重要と考え、個別に最適化・高度化されてきたコンビニの物流において共同配送・在庫といった物流共同化の実証実験を2020年8月に実施し、その定量的な効果をまとめて公表した。

●実証実験の概要
https://www.dei.or.jp/aboutdei/pdf/press/press_200722_01.pdf

●コンビニ共同店舗配送の実証実験結果について
下記の表に示す通り、コンビニ店舗配送の共同配送化を行うことにより、チェーンごとに別々に配送する場合と比べて、“配送距離の短縮化”をはじめ、“CO2排出量”および“燃料消費量の削減”、“トラック回転率の向上”、“積載率の改善”など多くの評価指標において改善効果を確認できた。トラック生産性のみ、店舗の納品時間を調整できずに納品店舗数が低下したため、改善効果が確認できなかった。今回、実証実験結果を拡張する分析として、納品時間を調整し、最も効率の良いルートで配送する場合のシミュレーションを実施した。その結果、納品時間を調整することで、こちらも大幅な効率化が可能となることを明らかにした。

今回の実証実験を通じて明らかになったコンビニ物流共同化の効果は以下の点。
・チェーンに関係なく、最も近い店舗で配送ルートを組むことで、輸送距離を短縮できる効果
・輸送距離の短縮によって、CO2の削減、フードマイレージ削減ができる効果
・配送距離が短くなることで、トラックの回転をあげることができる効果
・効率的な配送ルートを組むことで積載率を高めることができる効果
・納品時間を調整することで、トラックの生産性をあげることができる効果

●今後について
今回の実証実験の結果も踏まえ、SDGsの視点も持ってコンビニ業界における新しい物流の形を、コンビニエンスストア各社と、メーカーから卸売業・小売業までのサプライチェーンを構成するすべてのステークホルダーとともに一気通貫で検討していく。

●コンビニ共同店舗配送の実証実験結果

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