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経産省、「デジタル産業の創出に向けた研究会」発足

2021/02/05

経済産業省は2月4日、デジタルトランスフォーメーション(DX)が進展した企業によって構成される「デジタル産業」の姿を描き、その産業を創出するための道筋および政策のあり方について議論するための研究会を開催する。

同研究会では、グローバルな競争環境の変化に対応しつつ、企業間が相互につながり迅速に新たな価値を社会・顧客に提供しながら成長する「デジタル産業」の具体的な姿を明らかにするほか、デジタルトランスフォーメーションを推進するユーザー企業・ベンダー企業双方が新しい価値の提供を提供する主体としてビジネスを変革するための方向性を提示する。さらに地域・中小企業を含めた企業の変革を後押しする政策の在り方について検討を進める。

同省では、2020年8月に「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会」を設置し、コロナ禍を契機として我が国企業のDXを加速するための方策等を議論。DXレポート2(中間取りまとめ)を2020年12月に公表した。

DXレポート2では、目指すべきデジタル社会の姿として、社会課題の解決や新たな価値、体験の提供が迅速になされ、安心・安全な社会が実現するほか、デジタルを活用してグローバルで活躍する競争力の高い企業や、世界の持続的発展に貢献する新たな産業が生まれる、という姿を示している。

こうしたデジタル社会では、DXの進展によりあらゆる企業が内製・アジャイル開発を中心として迅速に新たな価値を創出し、ユーザー企業やベンダー企業という区別はなくなる方向に産業が変革していく「デジタル産業の実現」と考えられる。

一方、その過渡期には、こうした企業の変革を加速させる「DXを支援する企業」の存在が欠かせない。「DXを支援する企業」の担い手として、多くのIT技術者を抱える全国のベンダー企業は既存のビジネスから脱却し、社会全体のDXを積極的に支援する企業へと迅速に変化していくことが強く期待され、また、ユーザー企業の中でも、従来のビジネスに加えてデジタル技術をベースとしたサービスを展開し、他のユーザー企業のDXを支援する立場になる可能性がある。

同研究会は、コロナ禍への対応や2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みをはじめ、デジタルの重要性が社会全体として一層増している中、現在のユーザー企業、ベンダー企業が「DXを支援する企業」に向けて変革を進める必要性と、それを後押しする政策的方向性について検討するもの。

●構成・進め方の概要
・研究会
学識者・ユーザー企業・ベンダー企業に加え、デジタル企業として先進的なビジネスを行う企業の有識者により討議を進める。

・ワーキンググループ
デジタル産業変革に適応している企業を含む有識者、業界団体等により実務的な個別論点の検討を進め、デジタル産業の実現に向けた課題と提言をまとめる。

●スケジュール
第1回研究会を2月4日に開催し、順次進めていく予定。なお、企業や委員各位による率直かつ自由な意見交換を確保するため、同研究会は非公開とするが、議論の途中経過を公表する予定。

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