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経産省、「物流MaaS」実現に向け実施事業者を選定

2020/07/22

経済産業省は7月21日、物流分野における新しいモビリティサービス(物流MaaS)の実現に向け、公募を通じて物流MaaS実現に向けた取り組みを実施する事業者を選定した。

●2020年度「物流MaaS」の取り組み
同省は慢性的な需要過多・人手不足等の物流業界を取り巻く現状と課題を踏まえ、2019年度において有識者や商用車メーカー、荷主・運送事業者、ITソリューション事業者等の民間事業者等の参加のもと、物流分野における新しいモビリティサービス(物流MaaS)勉強会を2020年4月20日に開催したほか、国立研究開発法人産業技術総合研究所に委託し、2020年度「物流MaaS」の取り組みの実施事業者を6月5日より募集開始し、8事業者から応募があった。商用車業界としての取り組みとして以下の通り、3つの方向性を取りまとめ、以下6事業者を選定した。

(1)トラックデータ連携の仕組み確立
・荷主・運送事業者等が抱える課題に対し、日本版FMS標準(※)の活用が期待できるユースケースを検討し、複数商用車メーカーのトラックデータを連携する仕組みを検討するほか、運行管理データ項目の特定や形式等の標準API仕様の検討等を行う。
選定事業者:豊田通商(株)

(2)見える化・混載による輸配送効率化
・深度センサにより庫内の荷物量や空きスペースを見える化するほか、配送計画ルート上の積載効率変化も見える化し、輸配送効率化の検討を行う。
選定事業者:アイシン・エィ・ダブリュ(株)

・車両と積荷の位置情報等の連携により積載効率向上を図るほか、保険会社等と連携し、整備・運行記録等を用いた運行品質評価モデルの策定および検証を行う。
選定事業者:三菱ロジスネクスト(株)

(3)電動商用車活用・エネルギーマネジメントに係る検証
・軽貨物EVに求められる性能検討、経済性を高めるために必要となるエネルギーマネジメントやオペレーションのモデル構築のため、シミュレーション及び実車での検証を行う。
選定事業者:(株)ミツバ

・業務用車両の電動化に向け、充電ステーションの配置の在り方の検討(共同利用)、EVの運用や充電オペレーションの実証実験を行い、電動化に向けた課題の洗い出し、経済性検証、効率的な充電方法の検討を行う。
選定事業者:東京電力ホールディングス(株)

・ディーゼルバスとEVバスの相違点(給油/充電時間、臨時便等の運行管理等)を踏まえ、バスの運行管理とエネルギー管理を一体化したエネルギーマネジメントシステムのシミュレーション及び技術検証を行い、EVバス導入の地方版モデルの構築を目指す。
選定事業者:(株)みちのりホールディングス

※FMS標準(FMS: Fleet Management System):車両運行管理に必要となるトラックデータの標準仕様。発信するデータ項目について、欧州における必須項目に準拠していく方向性を商用車メーカー4社で確認しており、今後、日本における車両運行管理に必要となるデータ項目の追加や形式等の仕様を検討していく。

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