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建設資材と紙・パルプの物流環境改善ガイドライン策定

2020/05/29

国土交通省は5月29日、建設資材および紙・パルプに関する「荷主と運送業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン」を策定したと発表した。

ドライバー不足が大きな課題となっているトラック運送業において、調査の結果、荷待ち件数が特に多かった輸送分野3分野(加工食品、建設資材、紙・パルプ)についてトラックドライバーの長時間労働の改善を図るため、輸送品目ごとに懇談会を設置・開催し、全6回(うち分科会2回含む)の懇談会の検討の成果として、以下の通りガイドラインを策定した。

(1)建設資材物流の課題の特徴と主な対応策
課題の特徴
・工事現場では天候や道路事情等により当初搬入計画通りに運用が進まなくなると、荷卸しスペースにトラックが集中し、荷卸し待ち時間が発生することがある。
・建設資材は多品種であり、かつ、邸別・部屋別など物件ごとに搬入される製品が異なるため、出荷時・納品時の作業が複雑化・長時間化しており、トラックドライバーの荷積み待ち時間につながっている。
・上記課題の解決の手段としてICTの活用があまり進んでいない。
主な対応策
・前日の資材搬入の段取りをアナログな方法から、WEBクラウドを活用したデジタルな方法に移行し、円滑な情報共有を推進する。
・入出荷の検品作業等を目視から電子化することで、業務を効率化する、等。

●建設資材物流編 詳細
https://www.mlit.go.jp/common/001346107.pdf

●建設資材物流編 概要
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001345493.pdf


(2)紙・パルプ(家庭紙分野)物流の課題の特徴と主な対応策
課題の特徴
・家庭紙製品は単価が安く、新たな設備投資コストを価格に転嫁しづらい中で、パレット化等の物流効率化に向けた取組みを進めていかなくてはならない状況にある。
・家庭紙製品は嵩張るため、小売店舗で在庫が難しいことから、日々必要数量を配送する少量多頻度納品となっており、単価が安い(=運賃が安い)ことと相まって、運送事業者の経営を圧迫している。
主な対応策
・手積み手卸しの解消のため、パレット化の取り組みを実施する。
・物流の負荷を軽減させるコンパクト製品への切替をサプライチェーン全体で実施する。 等

●紙・パルプ(家庭紙分野)物流編 詳細
https://www.mlit.go.jp/common/001346104.pdf

●紙・パルプ(家庭紙分野)物流編 概要
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001345480.pdf


(3)紙・パルプ(洋紙・板紙分野)物流の課題の特徴と主な対応策
課題の特徴
・書籍、雑誌等や段ボールに使用される紙は技術開発の要素が少なく、他社との商品による差別化が難しいことから、商品以外の部分(リードタイムや納品方法等)での競争が行われてきた結果として不十分なリードタイムでの発注や少量多頻度納品といった商習慣が定着し、これが運送事業者やドライバーの負担増につながっている。
主な対応策
・リードタイムの確保により、効率的な配車や積載率の向上など生産性向上に取り組む。
・物量の平準化や共同輸送の実施など少量多頻度納品を効率化する、等。

●紙・パルプ(洋紙・板紙分野)物流編 詳細
https://www.mlit.go.jp/common/001346102.pdf

●紙・パルプ(洋紙・板紙分野)物流編 概要
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001345468.pdf

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