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日通総研、SIPスマート物流サービスの調査研究受託

2020/03/13

(株)日通総合研究所は3月12日、第2期の内閣府戦略的イノベーショ ン創造プログラム(SIP)における「スマート物流サービス」の公募において、医薬品医療機器分野のスマート物流サービス実現に向けたプロトタイプのデータ基盤の構築と概念検証の研究開発テーマに応募し、採択されたことを明らかにした。

同社は物流全般の調査研究やコンサルティング業務を行っ ている物流シンクタンクで、これまでにも国土交通省や各省庁からの調査研究委託業務を数多く受注してきた実績がある。

SIPスマート物流サービスは個社、業界の垣根を越えてサプライチェーン全体の物流・商流 情報を収集し、物流・商流データ基盤に一元的に蓄積することで、サプライチェーン全体を可視化し、 新たな価値を創出し提供していくことを目指す。この物流・商流データ基盤には、荷主と物流事業者等のサプライチェーンの関係者から適切に提供された情報を、計画的で効率の良い物流や、消費データに基づく生産等高付加価値な商流を研究・実現するため、データの活用を希望する適切なユーザーに提供する機能が必要となる。また、事業主・企業の多種多様で大量のデータや将来には消費者の個人情報も取り扱うと予測されるため、取り扱いルール等の明確化・ 高速かつ耐改ざん性・オープンデータに対する透明性・秘匿性、高いセキュリティ機能の確保も不可欠となる。

●研究概要
今回の研究は、医療機器業界内で以前より利用が進んでいる「GS1コード」の活用と、すでに一部のメーカーで先進的に採用されている自動認識タグ等を使って、医療機器メーカーからディーラー、 ディーラーから病院、さらには病院内での物流を、データ等を活用して一元的に管理していくためのデータ基盤の構築を目指す。また、このデータ基盤を活用し、トレーサビリティを確保することで各流通段階における在庫の削減等サプライチェーン全体の効率化や生産性向上を進めるほか、物流拠点の集約化や共同化、さらには共同配送の実現など効率的な物流システムの構築や運用に関して実証する。本研究は医療機器分野を対象に行うが、ここで開発するプロトタイプの商流・物流データ基盤は医療機器分野にとどまらず、将来的には国内の物流各社、様々な業種のメーカー、小売等 の既存データ(生産情報、在庫情報、輸送情報、物流リソース稼働状況、販売情報等)、IoT 等で常 時吸い上げられる膨大なデータ、交通情報等の公的情報等の膨大なデータと連携・連動させることで、 業界の垣根を越えたサプライチェーンの実装に貢献するものと考えている。

●研究のスキーム(イメージ)

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