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鴻池、フィリピングラハン会社の株式を譲受

2019/11/06

鴻池運輸(株)は11月5日、フィリピンの空港グラハン事業者MacroAsia Airport Services Corporation(MASCORP)の株式の20%を、その親会社となるMacroAsia Corporation(MAC)から譲受し、鴻池運輸の連結子会社で成田空港におけるグラハン業務を行う日本空港サービス(株)(JASCO)の株式30%を、その持株会社となる(株)NKSホールディングがMACに譲渡することで合意し、同日、鴻池運輸とMACは株式譲渡契約を締結、マニラ市内で調印式を行ったと発表した。

鴻池運輸空港本部とKONOIKEグループの空港関連事業各社は、今回の資本提携を通じて、日本の空港関連事業における、グランドハンドリング業務での外国人技能実習生の受け入れ・育成規模の拡大と、技能実習2号修了生の特定技能への移行による現場人材の確保を目指す。さらに、グランドハンドリング事業の将来的な海外展開のためのMASCORPの豊富なノウハウの習得、共同運営による海外グラハン人材の育成も目的としている。

●提携の背景
現在、KONOIKEグループでは、グループ会社10社が関西・成田・羽田国際空港をはじめとする国内6空港で旅客ハンドリング(チェックインカウンターやラウンジ、港内案内等の接客業務)とグランドハンドリング(手荷物・貨物搭降載、航空機誘導業務等)を航空会社や空港会社から受託し、展開中。一方、国内空港事業を取り巻く経営環境は、インバウンドの伸長、空港滑走路の増設、国内航空大手ほかLCCの便数拡大等を好材料に、さらなる市場拡大が見込まれている。特にインバウンド市場では、2030年に6,000万人の訪日客誘致を政府が掲げるなど、国を挙げてのインフラ整備、需要喚起も期待される。このような経営環境を背景に、同グループは空港事業を注力事業に据え、空港事業の売上231億6,300万円(2019年3月期)を、2030年には500億円(+145%増)とする目標を掲げて いたことから、事業拡大に向けた最重要戦略として人材確保および育成、さらには海外展開に向けた関係先との提携やM&A等を検討していた。 
 
●空港事業における技能実習制度活用の経緯と今後の展望
鴻池運輸はかねてより企業単独型の技能実習制度を採用し、現在グループ全体で、年間およそ300名の実習生を受け入れている。その中で、空港事業を展開するグループ各社で、2014年から空港内で物流業務を行う技能実習生を受け入れてきた。一方、今年4月の入管法改正により、特定技能1号の業種の1つに空港グランドハンドリング業務が指定されたことにより 同社が試験実施・認定機関として行う空港グランドハンドリング技能実習評価試験の技能実習1号並びに2号に合格すれば、特定技能1号資格を得ることができるようになった(入管に申請が必要)。外国人実習生は3年の実習を経て、特定技能1号の在留資格を認定されれば、さらに5年間(通算8年間)、日本での業務に従事することが可能になり、優秀な人材の育成が期待されている。

※グラハン:グランドハンドリング(航空機への手荷物・貨物・郵便物の搭降載や搬送、旅客手荷物の仕分けをはじめとする航空輸送に必要な、地上での様々な取り扱い業務)の略称

●契約の概要

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