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SOx規制適合油での正常運航を内航船12隻で実証

2019/09/13

国土交通省は9月10日、今年3月に作成した規制適合油の使用に関する「2020年SOx規制適合舶用燃料油使用手引書」を改訂したと発表した。

改訂理由は、今年6月末から9月にかけて規制適合油を用いた実船のトライアル運航を実施した結果、運航した全12隻の内航船で問題なく燃料切替・運航を行うことができたほか、切り替えに当たっての有益な知見を得ることができ、その知見を海運業界へ周知するためとしている。

船舶の排出ガス中に含まれる硫黄酸化物(SOx)等による人や環境への悪影響低減のため、舶用燃料油の硫黄分濃度の規制(SOx規制)強化が2020年1月1日より実施される予定。それに伴い、世界の船舶は今年末までに現状の高硫黄(硫黄分3.5%以下)燃料油から低硫黄(硫黄分0.5%以下)の規制適合油へ燃料を切り替える必要がある一方、規制適合油は硫黄分のほか、粘り気(動粘度)等の性状が従来のものと異なることが想定されるため、運航に支障をきたすことなく安全に対応できるよう、同省はこれまで、燃料油に係る船舶の設備の調査、燃料油の混合安定性(※)等の確認試験、これらの結果をまとめた「2020年SOx規制適合舶用燃料油使用手引書」の作成等を行ってきた。
※複数の燃料油を混ぜたときに固形物が発生しないこと

こうした中、関係業界が規制強化の準備に万全を期すことができるよう、今年秋頃からの本格的な供給開始に先立ち、総トン数499~10,000Gt超の計12隻の内航船で、実際に燃料を規制適合油へ切り替えて運航するトライアルを実施。トライアルの結果、いずれの船舶においても、問題が生じることなく燃料切替・運航を行うことができた。また、燃料油の温度・動粘度の調整や清浄器の調整の方法等、規制適合油への切替えに当たっての有益な知見を得ることができたことから、同使用手引書を改訂した。

●実船トライアルの実施内容およびその結果
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001307435.pdf

●「2020年SOx規制適合舶用燃料油使用手引書」改訂版
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001307443.pdf

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