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国交省、日ASEAN物流専門家会合の開催結果を公表

2020/12/28

国土交通省は12月15日、第17回日ASEAN物流専門家会合をWeb会議形式で開催した。

同会合では、日本とASEAN各国との物流分野での連携強化に向けて同分野の取組の紹介や意見交換が行われた。また、今年度日本が策定する予定のJSA-S1004認証審査ガイドラインを紹介。同ガイドラインをASEAN各国における認証体制の整備に向けて活用することを提案し、今後議論していくことを確認した。このほか、コールドチェーン物流サービス規格に関してブルネイ、インドネシア、ラオス、マレーシア、シンガポールおよびタイから日本の支援への期待が表明された。

●開催概要
日時:令和2年12月15日(火)10:30~17:30
出席者:合計51名
【日本】国土交通省、物流事業者(ヤマトホールディングス(株)、郵船ロジスティクス(株))、(一財)日本海事協会、(一財)運輸総合研究所
【ASEAN各国】ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの政府関係者、ASEAN事務局

議事概要:同省は日ASEAN交通連携の枠組の下、ASEAN各国との間で、「コールドチェーン物流プロジェクト」、「グリーン物流プロジェクト」及び「物流人材育成プロジェクト」を推進。同会合では、日本とASEAN各国との間で、各プロジェクトの進捗を共有し、今後の計画等について意見交換を行うほか、新型コロナウイルス感染症の影響と対応について情報共有を行った。同会合の主な内容は以下の通り。

(1)コールドチェーン物流プロジェクト
・国土交通省より、コールドチェーン物流サービス規格(JSA-S1004、※1)の発行を踏まえ、今年度日本が策定する予定の「JSA-S1004認証審査ガイドライン」(※2)を紹介し、同ガイドラインをASEAN各国における認証体制の整備に向けて活用することについて各国の合意を目指し、今後議論していくことを確認した。
・日本海事協会より、小口保冷配送サービス規格(ISO23412)の普及に向けた取り組みとして、タイで開催予定のセミナーについて情報共有し、タイ運輸省の支援を依頼したところ、タイ運輸省より協力の意向が示された。
・物流事業者のヤマトホールディングス(株)およびTYGC(※3)より、コールドチェーン物流サービス規格のメリットや普及に向けた政府の協力の重要性について説明がなされた。
・ASEAN各国より、コールドチェーン物流の現状について報告が行われるほか、ブルネイ、インドネシア、ラオス、マレーシア、シンガポールおよびタイから、コールドチェーン物流サービスに関する規格の国家規格化等に向けた動きについて説明があり、日本の支援への期待が表明された。

(2)グリーン物流プロジェクト
・マレーシアおよびインドネシアより、2021年グリーン物流パートナーシップ会議を開催する計画がある旨の発表があった。

(3)物流人材育成プロジェクト
・国土交通省より、JICAと連携して実施している物流分野の人材育成研修への参加を呼びかけたところ、マレーシアより、研修参加の意向が示された。

(4)新型コロナウイルス感染症の物流分野への影響と対応
・日本およびASEAN各国における新型コロナウイルス感染症の物流分野への影響と、その対応としての感染防止策や国境における規制等について情報共有を行った。

※1:日ASEAN交通連携の枠組みの下、2018年11月の日ASEAN交通大臣会合にて承認された「日ASEANコールドチェーン物流ガイドライン」をベースに作成された(一財)日本規格協会の規格。倉庫事業者および運送事業者が低温保管・輸送に関する作業を行うに当たって考慮すべき事業が盛り込まれている。
※2:ASEAN各国へのコールドチェーン物流サービス規格の普及に資するため、認証機関がJSA-S1004の認証審査を適切かつ公正に行うためのガイドラインの策定を今年度、(一財)運輸総合研究所と連携して実施。
※3:郵船ロジスティクス株式会社のマレーシア現地法人TASCO社がJOINとの出資により設立したコールドチェーン物流を展開するマレーシア現地物流事業者、TASCO Yusen Gold Coldの略称。

●第17回日ASEAN物流専門家会合の様子

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