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小口保冷配送の国際規格ISO23412が発行
国土交通省は6月3日、国際標準化機構(ISO)で日本が主導し、官民一体となって取り組みを進めてきた小口保冷配送サービスにおける適切な温度管理を実現するための国際規格が発行されたことを明らかにした。
経済成長に伴う高所得化が進むASEANを中心としたアジア諸国では、生活様式の多様化やEC市場の拡大により、食料生鮮品等の一般家庭等への小口保冷配送サービスの需要が高まっている一方で、一部の国の事業者では温度管理が不十分なサービスが散見され、健康被害や輸送途中での食料廃棄が問題となるほか、消費者や荷主のサービス品質への信頼が得られず、コールドチェーン物流の市場が拡大しにくくなることが懸念されている。
こうした状況を踏まえ、同省は平成29年7月に閣議決定した「総合物流施策大綱(2017年度~2020年度)」において、日本の物流事業者が高まるアジア諸国の物流需要を取り込むために、日本の高品質なコールドチェーン物流サービス等の国際標準化や普及を重要施策の1つとして位置づけ、取り組みを進めてきた。
同省は平成28年3月以降、「我が国物流システムの国際標準化等の推進に関する連絡検討会」で、物流事業者・業界団体・関係省庁が連携し、オールジャパン体制で標準化の検討を進めてきたほか、ASEAN各国との物流政策対話およびワークショップ等を活用し、各国の物流関係省庁、標準化機関等との連携を図った。
その結果、平成30年1月にISOにおいて日本提案による新たな委員会(小口保冷配送に係るプロジェクト委員会。議長:敬愛大学経済学部教授・根本敏則氏)が設立され、日本は議長国としてISOにおける議論を主導。今回ISOで行われた発行の是非を問う最終投票において全会一致で可決され、2020年5月28日にISO23412(※1)が正式発行された。
●規格の概要
ISO23412は輸送過程において積み替えを伴う保冷荷物の陸送配送サービスについて、適切な温度管理を実現するための作業項目を定めている。主な内容は以下の通り。
・保冷配送サービスの定義
・輸送ネットワークの構築
・保冷荷物の取り扱い
・事業所、保冷車両、保冷庫、冷却剤の条件
・作業指示書とマニュアル
・スタッフへの教育訓練
・保冷配送サービスの監視と改善
※1:正式名称は、ISO 23412:2020 Indirect, temperature-controlled refrigerated delivery services – land transport of parcels with intermediate transfer。
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