2019/05/27

鴻池運輸(株)は5月27日、農林水産省が公示した「令和元年度フードバリューチェーン構築推進事業（インド）（事業化可能性調査支援事業）」において、「北インドでの鶏卵の安全・安心・確実な輸送の実証」を提案し、採択された。

同事業は鴻池運輸が実施主体となり、北インドで鶏卵の鮮度と形状を保ったまま遅滞なく輸送を可能にするための実証実験を、日本国内鶏卵業で最大手のイセ食品(株)の協力のもと、2019年5月より約9か月間の予定で実施するもの。

 

具体的には、第1次調査として北インドで最も気温の高い時期となる5月末、定温トラックによる輸送シミュレーションを実施し、第1次調査の結果を踏まえてモンスーン時期の9月頃に第2次調査を行う計画。

なお、イセ食品は北インドで日本品質の鶏卵生産を開始する計画があるが、 実験段階ではインド国内産の鶏卵を使用する予定。

現在、人口や経済規模の持続的な拡大に加えて、個人所得と都市人口比率が上昇するなど社会や生活が大きく変化するインドで、手軽なたんぱく質供給源として注目されつつある鶏卵は比較的小規模な鶏卵企業（農家）による地域内生産･消費がほとんどで、日本のような大規模農場による大量供給と農場での洗浄･パック詰め・即時輸送の体制は取られていない。また、インド特有の気候や、必ずしも良好とは言い難い路面状態等、鶏卵の鮮度や品質維持が難しい状況下で、主たる消費地であるデリー首都圏等、都市部の納品先（大手スーパーマーケット等）に、安全、安心、確実に輸送するためには多くの課題を抱えているのが実態。

一方で、インド国民1人当たりの鶏卵消費量は、まだ日本の5分の1程度（日本330個/年、インド65個/年※2015年［出典］鶏鳴新聞 )に留まり、供給量拡大の余地は大きいと考えられる。

鴻池運輸はこれまでのインドにおける活動実績を生かしつつ、イセ食品の鶏卵農場・パック詰め工場のインド国内展開とともに安価で栄養価の高い鶏卵がインド中で提供されることに貢献していく。