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ヤマトHD、中国で越境流通プラットフォームを構築

2016/11/30

ヤマトホールディングス(株)(ヤマトHD)は11月29日、日中の複数の企業と共同で、日用品・化粧品・衛生用品等の日本のメーカー、卸売業と中国の小売事業者・ECモール出店事業者を結びつけ、貿易・物流・情報・決済・販路拡大までを一貫して提供する越境流通プラ ットフォーム事業を行う会社の設立に合意したと発表した。

参加するのは、中国最大の港湾運営の国営企業である上海国際港務(集団)股份有限公司(本社:中国上海市、以下SIPG)傘下の上港集団物流有限公司(本社:中国上海市、 SIPGL)と、ソフトウェア開発やシステム設計事業等を行う(株)シノジャパン、消費財流通の情報インフラとして、取引業務を効率化する EDI(企業間電子データ交換)サ ービスを提供する(株)プラネットの4社。

近年、中国の消費者が商品を選ぶ判断基準に品質や安全を重視する傾向が高まりつつあり、高品質で 安全性が高い日本製品は、中国の消費者の人気を得ている。昨今、「爆買い」と呼ばれる訪日外国人に よる大量購買行為は家電や高額商品から一般消費財にシフトしており、今後、「Made in Japan」の一般 消費財は中国の消費者に益々注目されていくことが見込まれる。

日本企業にとって中国は13 億人の人口を有し、そのうち 2 億人以上が富裕層・中産階級であり、高付加価値な商品、サービスを求めるニーズが高まっている魅力的な市場であるため、進出を検討している 企業は非常に多くある。しかしながら、各種法規制や言語、商習慣など日本の市場環境と異なる部 分が多いことに加え、海外への進出は設備や人材等の投資費用の負担が大きいため、中国進出の決断を 踏み切ることが出来ない日本企業が多数あることが考えられる。

また、中国に進出した日本企業も、中国における税関や検疫手続きに不慣れであるため必要在庫や十分な商品数を揃えることが難しいことに加え、模倣品の流出により正規製品であることの証明が難しく、当初の想定通りに収益を確保することが出来ず撤退を余儀なく選択する企業もある。

これらの課題を解決し、日本企業に対して日本製品のブランド価値を維持しつつ中国市場での販路拡 大を一貫してサポートし、中国の消費者に安心して安全な「Made in Japan」の製品を継続的に購入して いただくため、合弁会社の設立に合意した。

●事業概要
日本における物流はヤマトグループ、中国における物流および保税倉庫運営は SIPGL が行い、中国の小売事業者・EC サイト出店事業者と日本のメーカー、卸売業を結ぶ、受発注・在庫・販売実績の越 境 EDI システムの構築・運営・管理をプラネットと合弁会社が行います。

日中間の貿易および中国の販路拡大に関しては SNJP と合弁会社が行い、合弁会社と 4 社が保有するネットワーク及び機能を合わせることで、日用品・化粧品・衛生用品をはじめとする日本のメーカー、 卸売業と中国の小売事業者・EC モール出店事業者を結びつけ、貿易・物流・情報・決済・販路拡大 までを一貫して提供する越境流通プラットフォーム事業の運営を実現する。

これらの機能やサービスを提供することで、日本の大手メーカーの製品だけでなく、中小メーカーの製品も卸売業を通して中国での販売を拡大させ、中国消費者の生活の中に日本製品を浸透させることを目指す。さらにオールジャパンで訴求活動を行うことで、中国における日本製品のマーケット拡大を図ります。また、日本で実績のある標準化された EDI サービスの採用により効率的で透明性の高い越境取引の実現を継続的に支援する。

●取り組みによるメリット
(1)日本企業
・合弁会社 1 社で中国市場の進出に必要な貿易・物流・情報システム・決済・販売までのトータル サポートを提供することが出来るため、スムーズに中国市場に進出することが可能。
・合弁会社が提供するサービスを利用することで、設備や人の投資をする必要がないため、資金 の投資リスクを最小限に抑えることが可能。
・合弁会社は日本型の消費財流通を行うため、安定し継続的な中国向けの製品販売が可能。

(2)中国の消費者
・合弁会社が正規のルートで調達した「Made in Japan」の製品を企業が購入し販売するため、中国の消費者は安心して安全で高品質な日本製品を適正価格で購入することが可能。

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