(一社)日本物流団体連合会(物流連)は12月22日、令和5年度第3回「海外物流戦略ワーキングチーム(WT)会合」を千代田区の全日通霞が関ビルで開催した。同会合は物流事業の海外展開に関する課題を官民連携で検討するもの。会員企業や国土交通省から40名が参加した(うち18名がWeb参加)。

会合が開催された全日通霞が関ビル

令和5年度のWTでは、物流業界のグローバル化を進める上で重要な「ベトナムの物流事情」について調査を行っている。

第1部の講演会では、熊本学園大学商学部長の伊津野範博氏を講師として招き、「ベトナムにおけるメコン地域との物流連結性に見る現状と課題」と題した講演を行った。講演会ではワーキングチームメンバー以外も多数聴講し、Web参加を含めて合計84名が参加した。

第1部で講演した熊本学園大学の伊津野範博氏

伊津野氏は講演で、メコン地域の基礎情報、越境交通の現状と課題、今後の検討課題について説明。はじめに、メコン地域を取り巻く環境変化について、インドシナ半島の経済成長に伴う貿易活性化によって、連結性が強化されている点を紹介した。続いて、越境交通インフラ整備や経済回廊について資料を用いて詳しく説明した。併せて、越境手続きに関する諸制度の現状にも触れた。最後に陸路輸送へのシフトが進む上で、それに応じた制度設計が必要な点が今後の検討課題と締めくくり、講演は終了した。

第2部のワーキングチーム会合では、国土交通省物流・自動車局 国際物流室長の鈴木淳氏が、「最近の国土交通省の国際物流政策の取り組みについて」と題して説明した。今回は日中韓物流大臣会合にテーマを絞り、取り組みの状況を報告。その後、事務局からベトナム物流事情実態調査の報告があり、報告書完成に向けた計画について確認を行った。

最近の取り組みを発表する国土交通省の鈴木淳氏