センコーグループホールディングス㈱(センコーGHD)は10月26日、傘下のセンコー・フォワーディング㈱(センコーFW)が輸出業務を効率化する「貿易実務プラットフォーム(PF)」のサービス提供を開始すると発表した。

貿易実務プラットフォームを導入した業務フロー

国際物流では、世界的な海上コンテナ不足や海上運賃の変動が続いており、適正な海上運賃での運用と物量に合わせたスペース確保は荷主にとって大きな課題で、特にコンテナ取扱量の少ない中小規模の荷主は船運賃の入札に参加できないため、適正運賃でのスペース確保が難しい場合があるとしている。

また、輸出手続きでは、荷主が船会社や通関業者、荷主の工場、倉庫など複数の関係先と調整し、船積指示書(S/I)、仕入書(I/V)、梱包明細書(P/L)等の書類作成を、多くの場合、電話やメール・FAXを使って行っている。これらの業務は多大な工数がかかるだけでなく、新型コロナウイルスの感染予防対策や働き方改革を進める企業にとって、出社しなければ業務を完結できない課題となっている。

センコーFWは以前から取引のある大手荷主の協力のもと同PFの開発に取り組み、2022年1月から限定的に運用を開始。荷主の要望をヒアリングしながらシステム改良を重ね、10月から新規荷主にもサービス提供を開始した。海上コンテナ輸送を行う荷主に同PFが利用されることで、安定的なスペース確保と運賃設定、輸出業務の効率化とテレワーク推進に寄与し、自社の海上貨物取扱量の増加を図っていく考えとしている。

●「貿易実務プラットフォーム」概要
センコーFWがセンコーGHD傘下のセンコー情報システム㈱と共同開発した「Bid Force」と、Trade Tech, Incのシステムに独自カスタマイズ加えた「Booking Force」、㈱バイナル製の「TOSS-LOGIWORKS」を統合したもの。3つのシステムを顧客ニーズに合わせて運用することで、荷主、船会社、センコーFWの3者が輸出業務を一元管理することが可能となる。

◎各システムの機能
・Bid Force(ビッド・フォース):「海上運賃入札システム」
 入札レーン登録、運賃確認、入札評価、運賃承認、契約番号受信等を提供
・Booking Force(ブッキング・フォース):「ブッキング・トレース情報システム」
 ブッキング依頼、回答確認、トレース情報確認等を提供
・TOSS-LOGIWORKS(ロジワークス):「進捗管理システム」
 輸出入書類作成・共有、進捗管理等を提供