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フェデックス、デジタルトレンド白書を発表

2022/01/11

フェデックス コーポレーションの子会社であるフェデックス エクスプレスは、「注目すべきECのメガトレンド(E-commerce Megatrends to Watch)」白書を発表した。

この白書では、世界の越境ECにおけるトレンドの最も大きな動きを考察するほか、世界最大のEC市場である中国で起きている最も重要なデジタルにおける7つのメガトレンドと、それらがどのようにアジア太平洋地域やその他の地域において、ECのトレンドの進展に深い影響を及ぼすことになるのかという点に焦点を当てている。

新型コロナウイルスは世界中でEC拡大の促進剤となった。あらゆる規模の企業がこの機に乗じることを望んでいるが、EC大手企業はECの新たな分野を再構築しようとしている。同白書は生活者の行動や姿勢の変化の背景にある要因を検証し、企業が自社の長期的 EC戦略を策定する際に考慮すべきトレンドを示している。

ECは世界的に見て、今後5年間で平均47%成長することが見込まれている。アジア市場が51%で成長の先頭に立ち、ヨーロッパ(42%)と北米(35%)が続く。中東とアフリカでは、両地域を合わせたEC市場価値が2025年までに730億ドルに達すると予測されている。それでも、中国での成長はアジアの他の地域を凌駕しており、2020年に1兆3,000億ドルに達したECの売上高は、2025年までに2兆ドル近くまで増えると見込まれている。 

こうした明るい見通しは、物流企業が成長する多大な好機も生み出している。世界のEC物流市場は、2021-2028年の間に前年比で最大約6.6%増となり、2028年までに1,188億4,700万ドルに達すると予測されている。

同白書から浮かび上がったポイントは以下の通り。
(1)カスタマーエクスペリエンスの再定義:同白書では、「スマートシティ&ホーム」や「コネクテッドコンシューマー」、「実験的マーケティング」、「ショッピングエクスペリエンス再構築」が相交わったトレンドによって購買活動がもはや閉ざされたサイロ状態ではなくなることが明らかになっている。オンラインとオフラインの境界線はさらにあいまいになる。 充実したデジタルのインフラ・技術ソリューションが先進段階にある中国や北米、ヨーロッパのような市場において生活者が求めているのは、クラウドシェルフや、オフラインストアでの拡張現実(AR)ミラー、バーチャルリアリティーのホテルツアー、またモバイルでの購入体験のライブ配信のような、充実した技術サービスによる小売体験の向上。 5G通信が急速に現実化する現在、企業は高度にデジタル化・パーソナル化されたサービスを提供する近距離無線通信や人工知能、ボットといった新技術の力を活用し、小売業にとどまらない、より充実したつながりのあるカスタマーエクスペリエンスを実現することができる。これらの進化するトレンドに合わせて、物流業界もお客様に高度な分析を提供するよう取り組んでいる。たとえば、FedEx Surround(フェデックス サラウンド)の技術は、荷物に加えてそれらが行き来する世界に関する関連データを収集・統合することで、企業の可視化を向上させ、予測できる助言や事前の対応を可能にする。
 
(2)未到の達成:もう1つのトレンドは、「市場フロンティアの変化」に関すること。地球の一部地域が、過剰耕作や人口過多となる、またはそれらの最大潜在能力に達する中、第2都市と農村地域は、ブランドが活路を求める地域として台頭している。通常の小売業者や家族経営店舗は、今やB2BのECプラットフォームで顧客とつながり、国内外の双方で商品をオンライン販売している。第2都市における中流階級の台頭とともに先進のデジタル・輸送インフラの恩恵を受けた中国、アジア太平洋地域および中東は、デジタルコマースによって旧来型の小売業や家族経営の店舗が再生してきている。こうした未開拓分野での競争は、今後の数年で激化すると思われる。国境を越えた物流、より広範なネットワーク範囲、また接続のしやすさは、EC 事業者が占有率を拡大する上での下支えとなります。そして最初に動いて、顧客に深く根差した広範なリーチを構築した会社が勝者となる。

(3)利便性を利用する:他の2つのメガトレンドは、「シェアリングエコノミー」と「時間の購入」。都市化が進み、デジタルインフラが進化し、生活者の「所有」に対する考え方の変化により、2025年までに世界で3,350億ドルの規模になると言われるシェアードエコノミーの成長に拍車がかかっている。現在、北米とヨーロッパがその先頭に立っているが、中国では人口の半数超がこれに加わると見込まれている。利便性は、ブランドが生活者のニーズを満たすために分野を超えて協力し、イノベーションを図るように促す基本要因となっている。カーシェアリングやアパート賃貸からグループ購入まで、シェアードサービスの需要は画期的なイノベーションを促進している。なかでもECは、生活者にとって重要な時間の節減であり、1クリックでの満足感をもたらしている。可処分所得が増えるにつれ、生活の中でオンデマンドサービスを求める需要も急増すると予想されている。

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