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3社共同で国際医薬品輸送を可視化した実証実験を実施

2022/01/05

(株)日新は12月29日、スズケングループと共同で、パナソニックの真空断熱保冷ボックス「VIXELL(ビクセル)」(※1)を活用し、高品質な輸送品質が求められる医薬品の国際輸送を想定した輸送実験を9月に実施したことを明らかにした。

国際輸送、国内輸送における各社が得意とする分野の知見を持ち寄り、今後ニーズが見込まれる国際間の医薬品輸送について、パナソニックの協力のもと、高断熱構造で長時間保冷を可能にする「VIXELL」と日新が導入を検討するIoTデバイスを組み合わせた輸送実験を実施した。

●実験詳細
実施期間:2021年9月14日~9月22日
使用機材:パナソニック製「VIXELL」Lサイズ1台、Sサイズ1台(計2台)、IoT機材ゲートウェイ、センサタグ
輸送区間:スイス・バーゼルからスズケン・阪神物流センター(神戸市北区)まで
設定条件:「VIXELL」の容器内温度をドライアイスでマイナス60度以下に設定。親機に国際ローミング可能なSIMを挿入し、センサタグを「VIXELL」の外面のポケットに設置して、測定ポイントを通過する際に計測を実施。
検証内容
(A)「VIXELL」の温度維持能力試験
(B)海外、国内でのIoT通信とタグのセンサ機能の検証(温度、湿度、照度、傾き、衝撃度ならびに充電残量)
(C)国際一貫輸送における許認可、通関上の課題・問題点
その他:9月23日から10月4日までVIXELLの保温機能の実験として日新・京都営業所(京都府下京区)で保管し計測を継続

●検証結果
(A)マイナス60℃の保温時間:Lサイズは19日+3時間、Sサイズは9日+12時間にわたってマイナス60℃を保持することが確認できた(※2)。
(B)3か国それぞれの計測ポイントでIoT通信データ取得:センサタグが計測したデータがスイス、ベルギー(※3)、日本の各ポイントから通信網を通じてクラウドに格納され、スズケン・阪神物流センター到着前にセンサ情報(温度、湿度、照度、傾き、衝撃度ならびに充電残量)をインターネット管理画面で確認することができた。
(C)税関に「VIXELL」を「通い容器」として申告:事前に税関に相談を行い、「VIXELL」を「通い容器」として申告し、免税で輸入許可を得ることができた。

●今後の対応
今回の実証輸送の結果はパナソニックの「VIXELL」HPで公開するほか、3社の実証実験で得た知見やノウハウを活かし、医薬品業界のニーズに沿った国際物流の実現に向けて取り組んでいく。

※1:「VIXELL」パナソニックが開発したは真空断熱筐体(VIC)の技術を用いた超低温保冷容器で、マイナス70℃を最長18日間の超低温保管・輸送が可能。国内のワクチン輸送で実績のある機材。
※2:温度計測用の温度ロガーは航空会社の航空機搭載可能な機器を選定して使用。
※3:日新海外現法NISSIN BELGIUM N.V.は、2021年2月にGDP(Good Distribution Practice)の認証を取得した。

●輸送フロー

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