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大和ハウス/NTTコム、AI映像解析の実証実験

2020/12/04

大和ハウス工業(株)とNTTコミュニケーションズ(株)は12月4日より、大和ハウス工業が開発したマルチテナント型物流施設「DPL市川」で、NTTコムが提供するAI映像解析ソリューション「COTOHA Takumi Eyes(コトハ タクミ アイズ)」を活用し、施設内に設置したカメラ映像から利用者のマスク着用の有無や、施設内のカフェテリアの混雑度を自動で検知する実証実験を開始した。

同実証実験では、利用者が同施設に入館する際に、「COTOHA Takumi Eyes®」がマスク着用の有無を判定し、マスク装着を促すメッセージを入口のモニタに表示したり、共用スペースであるカフェテリアの混雑度を検知し、エリア別の混雑状況や入場を制限するメッセージをカフェテリア入口に設置したモニタを介して利用者に伝えたりすることで、新型コロナウイルス等の感染症拡大防止対策としての有効性を検証する。

●「COTOHA Takumi Eyes」の特長と新機能
「COTOHA Takumi Eyes」は防犯カメラ等の映像から、顔照合技術と全身照合技術を組み合わせることで人物を検出・追跡するNTTコムのAI映像解析ソリューション。コロナ禍の状況を考慮し、マスク着用の状態でも人物照合を可能とする機能を追加。同機能を応用することにより、カメラ映像からリアルタイムにマスク着用の有無を検知し、マスクをしていない人物に対して注意を促す「COTOHA Takumi Eyes マスク検知機能」を新たに提供する。

●実証実験のポイント
(1)マルチテナント型物流施設「DPL 市川」の利用者のマスク着用を判定し、マスク着用推奨メッセージを表示
「マスク検知機能」を使い、同施設入口付近に設置したカメラ映像から利用者のマスク着用の有無を判定。マスク未着用の場合は同じく入口付近に設置したモニタにマスク着用を促す警告文を表示することに加え、アラート音を鳴らすことにより注意を促す。

(2)カフェテリアへの出入りの人数を測定し、滞在人数およびエリア別混雑度の可視化と入室を制限 
「混雑度可視化機能」を使い、同施設のカフェテリア入口付近に設置したカメラ映像を 元に出入りの人数を測定。あらかじめ設定した人数を超えた場合は、同じくカフェテリア入口付近に設置したモニタに警告文を表示することに加え、アラート音を鳴らすことにより、利用者に注意を促し入場を制限する。また、カフェテリアのエリアごとに設置したカメラ映像を元に混雑度を計測し、利用者に各エリアの混雑状況をモニタに表示。モニタではカフェテリア内のリアルタイム映像が確認できるが、個人情報保護のため人物はシルエット表示される。なお、実証実験で利用するカメラ映像は2か月間保存・利用し、期間終了後に消去する。

●今後の展開
同実証実験の結果を踏まえ、一部のマルチテナント型物流施設(※1)に「COTOHA Takumi Eyes」を標準で採用することを検討する。また両社は同ソリューションの継続的な改善に取り組むとともに、ウィズコロナ・アフターコロナに対応したニューノーマルな物流施設の実現を目指す。今後はサーマルカメラ(※2)連携による利用者の体温測定および発熱者の施設内における追跡や、NTTコムが提供するIoTプラットフォームと各種センサを組み合わせることで、施設内の温度管理を行う仕組みの導入等も検討し、より安全・安心な物流施設を提供する。

※1:感染症対策が必要と思われるエリアに位置する物流施設。開発済みの物流施設含む。
※2:体温や物体の表面温度を検出することができるカメラ。 

●マスク着用判定画面(上)、混雑度可視化画面と入場制限画面(下)

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