江崎グリコ㈱と鴻池運輸㈱は1月23日、乳業業界として初の冷蔵機能を備えた燃料電池トラック(FCEV※1)を共同で導入し、1月20日より運用を開始したと発表した。

同車両は、岐阜工場で製造した学校給食用牛乳を地元の小学校に届ける。従来のディーゼルトラックと比較して、年間約29.9トンの二酸化炭素(CO2※2)の排出削減を見込んでいる。

冷蔵機能を備えた燃料電池トラック(岐阜県安八町のグリコマニュファクチャリングジャパン岐阜工場)

※1:FCEVは、Fuel Cell Electric Vehicle(燃料電池電気自動車)の略称で、水素と酸素の化学反応によって電気を生み出し、その電力でモータを駆動する車両。排出は水のみで、CO2やNOx等の有害物質を排出しない。

※2:CO2排出削減量=年間8万キロ走行した場合/軽油のCO2排出係数(燃焼時):2.619kg/Lからの試算値
  引用元:「特定排出者の事業活動に伴う温室効果ガスの排出量の算定に関する省令」(経済産業省・環境省)

江崎グリコは、持続可能な社会の実現に向けて、環境負荷の低減に取り組むことをマテリアリティ(重要課題)とし、物流においては、「商品を安心・安全に届ける」のみならず、サプライチェーンでの環境負荷低減の取り組みを推進している。鴻池運輸は、物流業界における脱炭素化を推進し、環境に配慮した輸送サービスの提供を目指している。FCEVは走行時にCO2を排出せず、静音性や低振動といった特性から、住宅地や通学路をはじめとした学校周辺での運行にも適している。そうした利点を踏まえ、両社は食品物流におけるゼロエミッション化を目指し、FCEVの導入を決定した。

●導入車両の概要
積載量:2,750kg
車両サイズ:全長6.84m、全幅2.23m、全高3.00m
航続距離:約260km
水素充填時間:約10分~15分
最大出力:109kW
台数:1台
製造者:いすゞ自動車
使用者:鴻池運輸(トヨタファイナンスより鴻池運輸がリースを受けて使用)

●導入スケジュール
運用開始:2026年1月20日
配送拠点:グリコマニュファクチャリングジャパン㈱ 岐阜工場(岐阜県安八町)
配送対象:岐阜工場で製造した冷蔵品(主に小学校向けの牛乳)を配送する。

車両の背面

●導入に関連した取り組み
今回のFCEV 導入を契機に、江崎グリコと鴻池運輸は水素エネルギーの活用を推進する。岐阜工場内にはすでに燃料電池フォークリフトを導入しており、工場内外での水素利用を拡大することで、低炭素社会の実現を加速する。また、工場に設置した水素ステーションは、通常の運用に加えて緊急時にはFCEVトラックへの水素供給を可能とし、事業継続を確保する。

さらに、運用開始後には、配送先の小学校で出前授業を実施する。FCEVの仕組みや水素エネルギーの特性を分かりやすく紹介し、次世代への環境教育を推進する。

●今後の展望
今後は、以下の観点からFCEVのさらなる活用と社会実装を進めていく。

①温度帯別の実証検証:冷蔵・冷凍・常温など複数温度帯に対応した運用可能性を検証し、食品物流の実用性を向上。

②大型車両や長距離輸送への展開:小型車両での運用を検証し、FCEV大型車両や長距離輸送への展開を進め、さらなる物流のゼロエミッション化を図る。

③教育・啓発活動:小学校での出前授業をはじめ、次世代への環境教育を実施し、持続可能な社会作りに貢献する。