三洋化成工業㈱は4月1日、DHLサプライチェーン㈱と日本国内における5年間のリード・ロジスティクス・パートナー(LLP)契約を締結したと発表した。

左より、三洋化成工業 代表取締役社長の樋口章憲氏、DHLサプライチェーン 代表取締役社長のジェローム・ジレ氏

DHLは、三洋化成の物流子会社である三洋化成ロジスティクス㈱が担ってきた三洋化成グループの国内物流機能を継承。今回のLLP契約の下、DHLは三洋化成および三洋化成グループの国内5拠点(名古屋、衣浦、鹿島、京都、川崎)の工場内物流拠点において、入荷、保管、出荷、付加価値サービス、輸配送管理サービスを包括的に提供する。これにより、倉庫業務の最適化、輸配送業務の改善、国内配送ネットワークの統合、業務プロセスの標準化、効果的な管理手法の確立等を推進。三洋化成グループのコスト削減を実現する。

また、日本の物流業界が直面する労働力不足と輸送キャパシティの制約に対応し、持続可能な物流基盤の確立を推進。具体的には、倉庫管理や輸送状況をほぼリアルタイムで可視化できるDHLの貨物追跡ツール「My Supply Chain」や「Power BI」等、データドリブンな意思決定を可能にするデジタル技術を活用し、業務の効率化と継続的な改善を促進する。さらに、DHLの他の顧客との共同物流ネットワークの活用に加え、政府が推進する化学品ワーキンググループへの参加を通じて、安定した物流サービスを提供し、ドライバー不足や輸送効率化の課題を克服する。

加えて、生産、物流、販売におけるサプライチェーン全体の効率化と柔軟性の強化を目指し、主要業績評価指標(KPI)を活用した品質・コスト管理の可視化、業務プロセスの標準化を推進することで、サプライチェーン全体を包括的に管理し、三洋化成が需要変動に迅速かつ柔軟に対応できるよう支援する。

また、今回の契約に伴い、2025年10月には、三洋化成ロジスティクスの従業員約30名がDHLへ継承される。DHLへの移行後は、三洋化成グループの物流の専門知識を強みとして活かしながらコアビジネスを担うほか、物流のプロフェッショナルとしてのさらなるキャリアップが期待される。