オリンパス㈱は3月5日、同社の物流拠点である相模原物流センター（神奈川県相模原市）における倉庫自動化プロジェクトの一環として、段ボール大手のレンゴー㈱製の高さ可変自動梱包機「J-RexS(ジェイレックス)」を本格稼働したと発表した。
同設備の導入により、梱包サイズの最適化と出荷作業の効率化を実現するほか、同社が目指してきた倉庫自動化構想が完結した。より効率的かつ安定した物流体制を確立することで「医療を止めない物流」の実践をさらに強化し、物流業界の「2024年問題」の解決にも貢献していくとしている。
「J-RexS」は、段ボールケースの底面積を規定サイズ内で自由に設計でき、梱包する商品の高さに合わせて自動切断・封かんを行う日本製の自動梱包機。刃物を使わない世界初の段ボール切断加工技術を採用し、梱包資材の使用量を最小限に抑えることで輸送コスト削減にも貢献する。
今回オリンパスは開発元であるレンゴー社のテープ式標準機の第1号機である「J-RexS」を相模原物流センターに導入したほか、梱包後の箱のサイズと重量を測定し、測定データが運送会社へ自動送信される自動サイズ計測機も導入したことで、運送会社の荷受け時にサイズ・重量測定する作業も不要になる。
図：高さ可変自動梱包～サイズ・重量自動測定・送信の工程イメージ
これらの導入により、以下の効果が期待されている：
・出荷容積の圧縮：貨物の輸送サイズを最適化し、輸送効率が向上、トラックの台数を削減
・梱包作業の効率化：人手で行っていた梱包作業の一部を自動化し、作業スピードを向上
・輸送業務の効率化：物流業者とのリアルタイムデータ連携を強化し、リードタイムを維持しながら出荷作業の精度を向上
・環境負荷の低減：使用する段ボールの種類を従来の12種から4種に削減し、梱包資材の使用量・費用を削減
同社は2019年より倉庫自動化プロジェクトを推進し、ロボット倉庫や自動倉庫といった先進的な設備を導入してきた(※1)。今回の高さ可変自動梱包機の本格稼働により、梱包プロセスの自動化が実現し、当初構想していた自動化計画が完成した。また、同設備の導入を通じて同社が出荷する貨物容積を2023年比で17％削減することを目指すほか、トラック台数の削減や作業時間の短縮等を実現し、物流業界の「2024年問題」解決に貢献していくとしている。
※1：ニュースリリース「オリンパスロジテックス、自動化設備を稼働開始」（2021年1月29日）
