鈴与㈱は12月25日、アース製薬㈱、大塚倉庫㈱、加藤産業㈱、岐阜プラスチック工業㈱、㈱久原本家グループ本社、㈱J-オイルミルズ、太陽化学㈱、㈱Mizkan Logitec、ライオン㈱、㈱ロジパルエクスプレスの10社(50音順)と共に、12月23日に砂防会館(東京都千代田区)で開催された「令和6年度グリーン物流パートナーシップ会議 物流パートナーシップ優良事業者表彰」にて、最高位となる国土交通大臣表彰を4年連続で共同受賞したと発表した。

鈴与は輸送モジュール化と混載輸送に取り組んだケースA、食品配送の効率化に取り組んだケースB(詳細は以下、受賞案件概要に記載)を物流事業者として主導。ケースAでは、トレーラへの切り替え、段積み用治具の使用による積載率の向上や複数荷主における混載を行い、ケースBでは、在庫型物流センターへの転換や共同配送、検品レス納品を実施した。その結果、労働時間や車両台数の削減を実現し、CO2排出量については615.6t-CO2/年(昨年比34.4%)の削減を達成した。

物流業界では、運転手の労働時間規制強化(2024年問題)や環境負荷軽減が喫緊の課題であり、今回の取り組みは日用品、飲料、食品、素材、玩具、物流資材メーカー等の異業種複数社と物流事業者が連携することで、効率的な輸送方法を考案し、輸送車両や労働時間の削減、CO2排出量の大幅な削減に繋げた。今後も関係各社と協力し、「持続可能な物流モデル」の実現を目指し、取り組みを進めていくとしている。

表彰集合写真(前列左から)岐阜プラスチック工業㈱ 代表取締役社長の大松栄太氏、大塚倉庫㈱ 常務取締役ロジスティクス本部長の溝内順一氏、鈴与㈱ 取締役の松山典正氏、国土交通大臣の中野洋昌氏、アース製薬㈱ 上席執行役員グローバル SCM本部本部長 CSCOの山下健吾氏、加藤産業㈱ 取締役常務執行役員 ロジスティクス本部長兼物流事業担当の日比啓介氏
(後列左から)㈱Mizkan Logitec 取締役の安居浩司氏、太陽化学㈱ 執行役員コーポレート本部長の山崎長俊氏、㈱久原本家グループ本社 常務取締役の浅井宏円氏、㈱J-オイルミルズ 執行役員 SCM担当の畑谷一美氏、㈱ロジパルエクスプレス 執行役員事業本部第2統括部ゼネラルマネージャーの石井貴志氏、ライオン㈱ 執行役員サプライチェーン企画本部長の南川圭氏

●受賞案件概要
【ケースA-1】フェリーを活用した混載輸送
 参画企業:アース製薬、大塚倉庫、岐阜プラスチック工業、久原本家グループ本社、ライオン、鈴与
 内容:九州~関東間の輸送で、複数企業がフェリーを活用して製品を混載輸送。パレットサイズや積み付け方法を標準化し、段積み用治具で2段積みを可能にすることで、車両台数を削減した。また、出荷スケジュールの調整により安定的な運行を実現した。
 成果:CO2削減:年間31.2トン(19.0%削減)
    ドライバー拘束時間削減:年間250時間(15.4%削減)
    車両台数削減:年間39台(28.9%削減)

ケースA-1:フェリーを活用した混載輸送

※1:メーカーAは今回の取り組みには参加しているが、受賞対象には含まれていない

【ケースA-2】陸送での混載輸送
 参画企業:岐阜プラスチック工業、J-オイルミルズ、太陽化学、ロジパルエクスプレス、鈴与
 内容:中部~関東間の輸送で、ケースA-1と同様に荷物の段積み用治具を導入。パレットサイズや積み付け方法を標準化し、輸送効率を向上。出荷スケジュールを調整して定期往復輸送を実現した。
 成果:CO2削減:年間46.3トン(23.2%削減)
    ドライバー拘束時間削減:年間688時間(17.6%削減)
    車両台数削減:年間171台(31.7%削減)

ケースA-2:陸送での混載輸送

※2:メーカーBは今回の取り組みには参加しているが、受賞対象には含まれていない

輸送モジュール化

※3:スリーブボックス:岐阜プラスチック工業が制作したパレット段積み用治具

【ケースB】食品配送の効率化
 参画企業:加藤産業、久原本家グループ本社、Mizkan Logitec、鈴与
 内容:神奈川県厚木市に食品専用の物流拠点(DC)を設置し、各荷主企業から物流拠点(DC)までの幹線輸送の効率化と、複数の食品メーカーによる共同配送を開始。食品専用車両を活用し、効率的な輸送を実現。事前出荷通知(ASN※4)により、納品作業を効率化し、ドライバーの拘束時間削減に貢献した。
 成果:CO2削減:年間538.1トン(37.8%削減)
    ドライバー拘束時間削減:年間1万916時間(27.9%削減)
    車両台数削減:年間1,392台(26.9%削減)

※4:事前出荷通知:納入業者から物流センターに事前に「発注番号」、「入庫数量」、「賞味期限」等の情報が通知される。物流センターでは商品が入庫する前に、検収予定の商品の把握が可能となるため、検品が簡略化され、物流センターでの作業軽減に繋がる。

ケースB:食品配送の効率化

●受賞案件の事業全体の成果
CO2削減:年間615.6トン(34.4%削減)
ドライバー拘束時間削減:年間1万1,854時間(26.5%削減)
車両台数削減:年間1,602台(27.3%削減)