大王製紙㈱と㈱T2は10月30日、2025年3月にT2が開発した自動運転トラックを活用し、関東・関西間の高速道路一部区間での実証実験を実施すると発表した。

左よりT2 代表取締役CEOの森本成城氏、大王製紙 執行役員の田上一義氏
大王グループの工場とT2のトラック車両

荷主・運送会社が一体となり、自動運転トラックを活用した物流オペレーションを構築し、「物流の2024年問題」など社会課題の解決に向けた取り組みを開始するとしている。

昨今「物流の2024年問題」から生じる輸送能力不足が懸念され、各荷主においても様々な対応が迫られている中、大王製紙は生活者向けにトイレットペーパー等の衛生用紙を安定的に届けるため、同業種・異業種との共同輸送や倉庫内での無人フォークリフト活用、ダブル連結トラック活用に向けたテスト輸送といった様々な取り組みを積極的に実施している。また、T2は自動運転トラックの技術開発により物流課題解決を目指しており、今回両社が協力し、持続可能な安定輸送の構築に向けて、2027年のレベル4自動運転(※1)トラックを活用した幹線輸送の実現を目指すに至った。

※1:レベル4自動運転:特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態

●実証概要
2025年3月、自動運転トラックを使用し、大王製紙品を取り扱う関東エリアの倉庫から関西エリアの倉庫まで商品を往復輸送する。T2が設定した高速道路上の自動運転区間においてレベル2自動運転(※2)を行い、無人運転のレベル4自動運転に向けた課題抽出やオペレーション確認を行う予定。今回の実証実験における両社の役割は以下の通り。

大王製紙:荷主企業として自動運転トラックの輸送オペレーションを検討・評価
T2:自動運転トラックの輸送オペレーション構築検討と現場オペレーションの実行

※2:レベル2自動運転:ドライバーの監視のもとに行われる、特定条件下での高機能自動運転

●自動運転のレベル分けについて(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/common/001226541.pdf

●大王製紙 執行役員 グローバルロジスティクス本部長の田上一義氏のコメント
大王グループは、「物流 2024 年問題」や CO2排出量削減等、持続可能な物流体制構築のため、様々な輸送手段を検討しています。今回、自動運転トラックによる幹線輸送の実現という新たな物流ステージに向けたT2様の実証実験に参画できることを大変光栄に思います。T2様のお力添えをいただきながら、自動運転の実現がより進んでいくことを期待しています。当社は引き続き、経営理念「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」の実現に向け、今後も努めてまいります。

●T2 代表取締役CEOの森本成城氏のコメント
T2では2025年のレベル2自動運転トラックによる幹線輸送サービス事業開始に向けて様々な実証を行っており、今回の実証もその目標に向けた大事なステップです。大王製紙様には、「日本の物流を共に支える」という大義に共感いただくと共に、この重要なステージにて心強いパートナーとして御参加いただき、自動運転技術を活用した未来の物流に向けて共にチャレンジできることを大変嬉しく思います。2027年のレベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービスの実現を目指し、今後も幅広い業界の方々からの御賛同・御参画を切に願っています。