鴻池運輸㈱は10月10日、関西国際空港制限区域内で2021年より実施していた、グランドハンドリング業務(※1)で使用するパレットドーリー(※2)の位置情報検知の実証実験(※3)が完了し、2024年10月1日より実運用を開始したことを明らかにした。

イスラエルのHoopo Systems Ltd.(hoopo、※4)が開発した位置測位・積載検知センサを使用した国内空港における実証実験・実運用は初の事例としている。

ドーリー ※イメージ
ドーリーに設置したセンサ
hoopo製センサ「hoopo Sense-C」

※1:航空機への手荷物・貨物・郵便物の搭降載や搬送、旅客手荷物の仕分けをはじめとする航空輸送に必要な、地上での様々な取り扱い業務
※2:航空機に搭載するコンテナを運搬するための台車
※3:関連報道発表:2021年1月27日 https://www.konoike.net/news/detail/20230928171621.html
※4:https://www.hoopo.tech/

実証実験は、KONOIKEグループの㈱Kグランドサービス(KGS、※5)より、空港内に散在するドーリーの捜索効率を向上させ、業務を効率化させたいという現場の声を受け、ドーリーの現在位置や積み荷の有無をリアルタイムに把握することでその課題を解消し、ドーリーの捜索時間削減、作業者の労働負荷軽減を目指す取り組み。ドーリーの現在位置や積み荷の有無は、hoopo製センサを各ドーリーに設置し、衛星利用測位システム(GPS)等を利用してPCやスマートフォン等の端末で把握する。ドーリーの位置測位の精度検証や耐久性を検証した結果、実運用における有用性や耐久性が確認できたため、10月1日よりKGSが保有するドーリー563台にセンサを設置し、本格的な運用を開始した。

これまで作業者によるドーリー捜索では旅客便1便に約30分程度を要していたが、位置測位・積載検知センサを使用する捜索では約15分となり、約50%の捜索時間削減(※6)となる。

今回の業務効率化、労働負荷軽減の取り組みは、コロナ禍での離職をきっかけとする人手不足の空港現場において労働環境改善に大きく貢献するとしている。

※5:鴻池運輸Webサイト「KGS紹介」
https://www.konoike.net/company/group/japan/kground-service/
※6:航空機の積載内容や種類により大きく変動するが旅客便1便に対して使用するパレットドーリーは約8台