ヤマト運輸㈱は4月8日、2024年6月10日から5,600万人以上が登録する個人向け会員サービス「クロネコメンバーズ」の会員を対象に、「宅急便」「宅急便コンパクト」の受け取り方法に新たに「置き配」を追加すると発表した。より多くの荷物で多様な受け取り方法を選択できるようになり、顧客の荷物の受け取り利便性の向上に貢献する。

ECの拡大により、2022年度の国内EC市場は10年間で約2.4倍の22.7兆円(※1)に達し、2022年度の宅配便取扱個数は10年間で約1.4倍の約50億個(※2)に増加している。一方、ライフスタイルの多様化やコロナ禍による非対面受け取りニーズの高まり等、荷物の受け取りニーズは多様化している。宅配便の再配達率は2023年10月で約11.1%(※3)となっており、政府は今後輸送力不足が懸念される物流の「2024年問題」への対応として、2023年6月に「物流革新に向けた政策パッケージ」(※4)を策定し、再配達率を2024年度に6%へ削減することを盛り込んでいる。

ヤマト運輸は多様な受け取りニーズに対応するため、個人向け会員サービス「クロネコメンバーズ」の会員を対象に、ヤマト運輸営業所やコンビニエンスストア、オープン型宅配便ロッカー「PUDOステーション」など全国5万か所以上にのぼる自宅外での受け取り場所の拡大や、荷物の「お届け予定通知」や「ご不在通知」サービスの提供等により、荷物の受け取り利便性の向上を図ってきた。2020年6月からは、「置き配」にも対応したEC事業者向け配送商品「EAZY(イージー)」を発売し、現在、ヤマト運輸が取り扱う年間約23億個の宅配便のうち、「EAZY」の取扱個数は約5億個にのぼる。

今回、社会的にも「置き配」の認知やニーズが広まりつつある状況(※5)を踏まえ、「EAZY」に加えて「宅急便」「宅急便コンパクト」の受け取り方法に、新たに「置き配」を追加する。これにより、さらに多くの顧客に快適な受け取り体験を提供。顧客が荷物を一度で受け取りやすくなることで、再配達の削減、物流の効率化や温室効果ガス排出量の削減に貢献し、持続可能な物流の実現を目指すとしている。

●概要
開始日:2024年6月10日(月) ※利用には「クロネコメンバーズ」への会員登録が必要。
対象商品:「宅急便」「宅急便コンパクト」
 ※「クール宅急便」「宅急便着払い」「宅急便コレクト」は対象外。
 ※荷物を発送する顧客との契約内容により、「置き配」が選択できない場合あり。

●「置き配」の指定可能場所

※「置き配」の「指定可能な時間帯と受付締切時間」は「受け取り日時の変更」に準じる。
URL:https://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/customer/redelivery/change/date/

●利用の流れ
①クロネコメンバーズの「お届け予定通知」「ご不在通知」「My荷物一覧」画面の「受け取り日時・場所変更」から、「置き配」を選択する。
②自宅の玄関ドア前や宅配ボックス等、希望の受け取り場所を選択する。
③「置き配」で配達完了後、タイムリーに配信される「お届け完了通知」に記載のURLから、荷物が置かれている写真が確認できる。

「置き配」の受付から配達完了通知までの流れ(イメージ)

※1:経済産業省:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました(2023年8月31日)
https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230831002/20230831002.html

※2:国土交通省:令和4年度 宅配便・メール便取扱実績について(2023年8月25日)
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha04_hh_000281.html

※3:国土交通省:令和5年10月の宅配便の再配達率が約11.1%に減少(2023年12月19日)
https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_000736.html

※4:内閣官房:「物流革新に向けた政策パッケージ」(2023年6月2日)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/buturyu_kakushin/pdf/seisaku_package.pdf

※5:国土交通省:物流に対する消費者意識に関するアンケート(2022年3月)
https://www.mlit.go.jp/monitor/R3-kadai01/17.pdf