アスクル㈱は12月18日に開催された「令和5年度グリーン物流パートナーシップ会議 物流パートナーシップ優良事業者表彰」において、花王㈱、コクヨ㈱と共に実施した「小売業の発注スキームの転換から車両削減・物量平準化の実現」の取り組みについて、令和5年度(第22回)グリーン物流パートナーシップ会議「物流パートナーシップ」優良事業者として経済産業大臣表彰を受賞した。

「グリーン物流パートナーシップ会議」は、物流分野のCO2排出量削減に向けた荷主と物流事業者が連携した取り組みを支援する場として発足し、物流分野全般の課題解決に資する取り組みを幅広く支援するもの。今回、同社は小売業起点でAIを活用し、発注量の平準化に取り組んだ点が評価され受賞し、取り組み事例について発表を行った。

表彰状授与の様子。左からコクヨの井上真一氏、岩田和親経済産業副大臣、アスクルの山川剛央氏、花王の森竹麻衣氏

●審査員からの評価ポイントと今後への期待
今回の受賞にあたっては、小売業起点でAIを活用し、小売からサプライヤーへの発注量を平準化する取り組みを行った点が高く評価された。また、今後、今回の取り組みを小規模の事業者にも展開することに期待を寄せるほか、AIでカバーしきれない領域についての対策を講じていく必要性についても触れられた。最後に今後の課題として、今回取り組んだ積載率の向上や発注量の平準化を配達ドライバーを含む実際の物流現場の環境改善に活かしていくことを掲げられた。

●実証実験「小売業の発注スキームの転換から車両削減・物量平準化の実現」の概要
今回受賞対象となった実証実験「小売業の発注スキームの転換から車両削減・物量平準化の実現」は、アスクルからサプライヤーへの商品発注量を平準化し物量の波動を吸収することにより、輸送車両台数とCO2排出量の削減を目指すもの。従来アスクルで採用していた一般的な小売業と同様の発注方法である「必要なモノを・必要な時に・その都度発注する」方式を脱し、アスクルからサプライヤーへの発注量を平準化したことにより、輸送車両・CO2排出量削減を実現した。

発注量の平準化を実現するにあたり、アスクルではEC事業者起点でAIを活用した「発注量平準化のシステム」を開発した。同システムに、サプライヤーの使用する輸送車格(4トン車、10トン車等)と各車格で輸送できる物量(積載可能才数)を取り込み、1週間分の需要予測・需要変動のデータと突き合わせてアスクルからサプライヤーへ発注。発注量を「輸送車両の車格単位での発注量」としたことで、発注の時点で高積載となる仕組みを確立し、発注量の平準化を検証した。

●関連プレスリリース 2023年 8月30日
 花王・コクヨと共同で「発注量の平準化に関する実証実験」を実施
 https://pdf.irpocket.com/C0032/cEro/Ef0f/IQsb.pdf