㈱阪急阪神エクスプレス(阪急阪神EXP)は、「環境にやさしいビジネスモデル」を推進するフランスのアンバリゾ社とのコラボレーションで循環型クールチェーンサービスを構築し、3月1日より医薬品の航空輸送を中心にDoor-to-Doorサービスを開始した。
●使用する保冷梱包資材
アンバリゾ社製「パレットシッパー」
サイズ:3種類。外寸(単位mm)で、1)大型2400x1545x1575、2)中型1545x1315x1575、3)小型1545x1170x1575
管理温度帯:1)冷蔵(+2℃~8℃)、2)定温(+2℃~+25℃)
保冷剤:PCM(Phase Change Material、位相変化)保冷剤、水性保冷剤
温度維持可能時間:最大189時間
https://www.emballiso.com/ja/
●輸送フロー
温度管理のトライアル輸送(プロセスマッピング)を繰り返した欧州向け事例
・神奈川県内の顧客物流倉庫に「パレットシッパー」(保冷梱包資材)搬入<起点0時間>
・資材組立、貨物搬出、保冷車輸送、同社成田国際ロジスティクスセンター(NGLC)搬入<この間8時間>
・NGLCにてラベリング、輸出通関、航空会社上屋搬入、航空機搭載<この間17.5時間>
・アムステルダム空港到着<この間15時間>
・アムステルダム空港内保冷倉庫搬入、保管、輸入通関、搬出<この間20時間>
・同社オランダ法人提携保冷倉庫搬入、保管(指定納品日時までの待機)<この間15.5時間>
・提携倉庫搬出、指定納品先まで保冷車輸送、納品完了<この間3時間>
※全工程79時間
●サービスの特長
・大型サイズの保冷梱包箱を標準装備、利便性向上
・混載に投入、積載効率も良くコストメリット向上
・発着地双方で、CEIV Pharma(※1)認証・GDP(※2)認証取得事業者が対応(提携先含む)
・+2℃~+25℃の温度帯で管理可能
・輸送後の梱包資材、保冷剤はアンバリゾ社にて無料回収可能
・再利用、リサイクルを通じてCO2排出量削減に貢献
・海外発サービスも提供(ベトナム発欧州向サービスも同時にスタート)
※1:“The Center of Excellence for Independent Validation in Pharmaceutical Logistics”の略。IATA(International Air Transport Association,国際航空運送協会)が、GDPに適合する航空輸送における品質認証として策定したグローバルでの統一基準。
※2:“Good Distribution Practice”の略で医薬品のサプライチェーンにおける輸送・保管に関する品質を保証する適正流通基準。国によって独自の基準があるが、2010年にWHO(世界保健機関)が策定したGDPガイドラインが国際統一基準の先駆けであり、EUでは法制化されている。日本では2018年に厚生労働省から「日本版GDPガイドライン」が発出され、コロナ禍でのワクチン輸送を契機にGDPへの認識が高まっている。