旭化成㈱とセンコーグループホールディングス㈱は10月7日、旭化成が開発したFresh Logi密閉ボックスによるクラウド型生鮮品物流ソリューション「Fresh Logiシステム」(※1)を利用した冷蔵品の混載輸送サービスの提供を開始すると発表した。

Fresh Logiボックスは断熱性と気密性が高く、あらかじめ冷やされた商品を長時間低温で保持したまま運ぶことができる。蓄冷材を併用することで、さらなる低温保持時間の延長も可能となる。また、Fresh Logiボックスは使用後に折りたたんだ返送が可能で、返送時に荷台の場所を取らず返送も効率的に行える。

現在、野菜や果物をはじめ温度管理を必要とする商品の輸送現場では、輸送中の鮮度保持や、冷蔵車両の手配・確保をする必要があり、トラックやドライバーの不足等様々な課題があるが、Fresh Logiボックスを活用することで常温車両での配送が可能となり、これらの課題を解決することができる。

これまでに旭化成のFresh Logiボックスは、2021年12月から㈱アップクオリティの提供するサービス「産地直送あいのり便(※2)」に採用されており、センコーグループは同サービス上において常温軽車両を用い、飲食店やスーパー等の顧客へのラストワンマイル輸送(※3)を担ってきた。

今回、「Fresh Logiシステム」を利用した冷蔵品の混載輸送サービスの取り組みを発展させるため、旭化成とセンコーグループはさらなるサービス拡充の検討を重ねてきた。

●今回の取り組みについて
旭化成とセンコーグループは九州―関東間の青果物をターゲットとした常温車両での鮮度保持輸送についてサービスの提供を開始。今後はサービスエリアの拡大や、医療・医薬品など温度管理が必要な様々な配送ニーズに対応していく。

さらに、センコーグループの配送ネットワーク(域内配送ネットワーク、物流バスによる幹線輸送、JRコンテナ輸送、貨客混載サービス等)に「Fresh Logiシステム」を導入し、常温車両への冷蔵品混載により、積載効率を高めて輸送の効率化を進め、物流業界の課題であるトラックドライバー不足への対応、GHG排出削減にも寄与していくとしてる。

Fresh Logiシステムによる輸送イメージ

●ポイント
・常温便一般車両で、冷蔵品の混載輸送が可能(積載・輸送効率アップ)
・輸送時の冷蔵エネルギーが不要でGHG排出量を削減
・密閉ボックスによる輸送のため、匂いうつりを防止
F・resh Logiボックスは折り畳み可能なため、効率良く返送可能

●旭化成「Fresh Logiシステム」について
青果物の鮮度を保持しつつ、輸送の省エネ化にも貢献できるクラウド型生鮮品物流ソリューション。旭化成グループの製品で、優れた断熱性能を持つ断熱材「ネオマフォーム」を用いた「Fresh Logi密閉ボックス」を輸送に使用することで、冷蔵システムを使用することなく、温度上昇の抑制に加え、湿度・ガス環境を制御し、従来の冷蔵トラック輸送と同等以上の鮮度保持を実現する。また、輸送環境をクラウド上で解析し、サービスの利用者に鮮度データとして提供することで、店舗等における鮮度予測や最適在庫管理を可能にし、フードロス削減に貢献する。

「Fresh Logiシステム」

※1:「Fresh Logi」
https://akfood-agri.com/

※2:「産地直送あいのり便」
http://www.ainoribin.com/