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アパレル2社、センコーの協働で資源循環実証に参画

2021/07/27

(株)オンワード樫山と(株)三陽商会は7月27日、両社の納品物流業務を担うセンコーグループホールディングス(株)と協働し、動静脈一体物流を活用して効率的に廃プラスチックを回収し再生するレコテック(株)の資源循環プラットフォーム実証事業に参画したことを明かにした。

昨今、海洋プラスチック問題の深刻化からプラスチックごみの削減と再利用が喫緊の課題となる中、イギリスのエレン・マッカーサー財団は2016年の報告で「現在のスピードでプラスチックの利用を進めた場合、2050年までに海中のプラスチックの重量と魚の重量が等しくなる」との衝撃的な試算も発表されており、日本のアパレル業界においても衣服を店頭で回収し、リサイクルやリユースをする等の取り組みが進められているが、サプライチェーンの過程で発生するプラスチックは非常にきれいな状態で排出されるにも関わらず、現状ではほとんどがサーマルリカバリー(熱回収)に留まっている。

物流拠点や各店舗で発生する廃プラスチックをマテリアルリサイクルするためには、薄く広く分散した廃棄物を効率的に回収することが必要不可欠で、そのためには企業横断的に仕組みを構築することが重要と考えられている。

そこでオンワード樫山と三陽商会は、両社の納品物流業務を担うセンコーグループとの協働により、今回の資源循環プラットフォーム実証事業に参加。両社の物流倉庫・店舗等から排出されるプラスチックを量と種類を見える化した上で、センコーグループの納品車両を活用して回収し、マテリアルリサイクル施設にて再生する実証事業に協力していく。

同事業ではレコテックが提供する資源循環プラットフォームシステム「Material Pool System(MPS)」および廃棄物を記録するWebアプリケーション「GOMiCO」で廃プラスチックの量と種類を可視化し、追跡・管理することにより静脈サプライチェーンの各プロセスにおけるトレーサビリティを担保。これを前提に、東京都の「再生利用指定」を受け、許認可外の車両を使った動静脈一体物流を実現することが可能となる。

●実証事業の実施概要
・実証期間:2021年6月22日~2021年8月31日
・回収拠点:オンワード樫山 芝浦第3ビル・第4ビル(東京都・港区)
      三陽商会 社員セール会場 科学技術館
      三陽商会 ブルーレーベル/ブラックレーベル・クレストブリッジ原宿本店
      三陽商会 ブラックレーベル・クレストブリッジ渋谷店
      三陽商会 ポール・スチュアート青山本店
・回収対象:納品時のハンガーカバー(透明のプラスチックフィルム)、ニット・カットソー等包装プラスチック

●実証事業イメージ(上)、回収対象のプラスチック(下)

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