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ヤマト運輸、北海道のバス路線で宅急便の客貨混載開始

2016/09/27

ヤマト運輸と北海道のバス会社3社は9月27日、過疎化や高齢化が進む中山間地域におけるバス路線網の維持と物流の効率化による地域住民の生活サービス向上を目的として、路線バス4路線(恩根内線・下川線・朝日線・帯広陸別線)で「客貨混載」を開始した。宅急便を積載するため、座席の一部を荷台スペースとして確保した路線バスを運行させる。

近年、全国の中山間地域等で過疎化や高齢化が進む中、北海道では過疎地域の割合が約80%になり、特に過疎化が顕著な地域となっている。路線バスの乗員数も年々減少し、高齢者の移動手段となるバス路線網の維持が課題となっている状況。また、物流業界でもトラックドライバーの労働力人口減少による物流網の維持が課題となっている。

こうした課題を解決するため、平成28年7月より北海道運輸局主導の下、ヤマト運輸と北海道のバス会社=名士バス(株)、士別軌道(株)、十勝バス(株)は「ひと・もの 協働輸送プロジェクト」を発足し、道内4路線で路線バスが荷物を輸送する「客貨混載」の実証実験を開始した。今回、約2か月間の実証実験を終え、本格的に「客貨混載」を開始する。

客貨混載の実現により地域のバス路線網が維持され、安定的に路線バスを利用できることで、病院やスーパーなど多様な施設へアクセスでき、生活基盤の維持・向上につながる。また、ヤマト運輸のセールスドライバーが各地域(美深町・下川町・朝日町・陸別町)に滞在できる時間が増え、顧客からの要望に対し柔軟に応えられるようになる。

バス会社としては、路線バスの空きスペースで宅急便を輸送することで、バス路線の生産性が向上し、バス路線網の維持につながる新たな収入源を確保することができる。物流会社(ヤマト運輸)は、トラックの走行距離が1日約60km削減され、CO2排出量の低減につながる。

(上)荷物の積載 イメージ
(中)4路線 の路線バスで の路線バスで の路線バスで 宅急便を輸送
(下)運用フロー例/朝日線 (士別市~朝日町)

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