㈱オカムラは5月11日、社会課題の解決と環境配慮を目的として、同社初となるサステナビリティ・リンク・ボンド(※1)の訂正発行登録書を関東財務局へ提出した。

●本社債発行の目的・背景
同社グループは、「豊かな発想と確かな品質で、人が活きる環境づくりを通して、社会に貢献する。」をミッションとし、トータルソリューション企業への変革とグローバル化の推進を図るとともに、企業価値のさらなる向上と社会課題の解決を目指す。

持続可能な社会の実現が求められる新たな価値観の中で、1人ひとりが「活きる」ことこそが社会課題の解決につながると考えている。2021年7月、既存の経営理念を一部改訂し、「オカムラウェイ」として体系的に整理。ミッションを実現していくために、「人が活きる環境の創造」「従業員の働きがいの追求」「地球環境への取り組み」「責任ある企業活動」の4つの観点からサステナビリティ重点課題を特定し、取り組みを推進している。

「地球環境への取り組み」では、「気候変動への対応」「資源の有効活用」「製品のライフサイクルを通じた環境配慮型製品・サービスの提供」を重点課題として捉え、2050年を見据えたカーボンニュートラル実現を目指すほか、そのマイルストーンとして、2030年度の温室効果ガス排出量の削減目標を2020年度比50%とした。同社グループはカーボンニュートラル実現に向けた取り組みとして、あらかじめ定めたサステナビリティ目標を達成するか否かによって条件が変更する本社債の発行を決定した。

●本社債の概要
発行年限:5年(予定)
発行額:50億円(予定)
発行時期:2022年6月(予定)
サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPT)(※2):2025年度に温室効果ガス排出量を2020年度比 25%削減
判定後の債券特性:判定日(2026年10月1日)時点でSPT未達となった場合、償還期日までに環境保全活動を目的とする公社団法人・公益財団法人・国際機関・自治体認定NPO法人・地方自治体等へ社債発行額の 0.15%相当額の寄付を実施
実際に寄付した法人や団体等の名称、寄付額についてはウェブサイトにて公表
少なくとも年1回、KPIに関する最新の実績とSPTの判定結果を、同社グループのサステナビリティレポートまたはウェブサイトにて公表
主幹事:野村證券㈱
Sustainability-Linked Bond Structuring Agent(※3):野村證券㈱

●SPTの選定について
同社グループは、カーボンニュートラル実現に向けて、2050年温室効果ガス排出実質ゼロを目指す。そのマイルストーンとして、2030年の温室効果ガス排出量の削減目標を2020年比50%としている。本社債のSPTは、同社が掲げる温室効果ガス排出量削減目標の達成に資する「2025年度に温室効果ガス排出量を2020年度比25%削減」を設定した。

●外部評価(セカンド・パーティ・オピニオン)の取得
本社債発行に向け、同社はサステナビリティ・リンク・ボンド・フレームワークを策定し、当該フレームワークに対し、㈱日本格付研究所(JCR)より、国際資本市場協会(ICMA)の「サステナビリティ・リンク・ボンド原則」および環境省による「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン」への適合性に関する第三者意見を取得している。

※1:サステナビリティ・リンク・ボンド
あらかじめ定められたサステナビリティ目標を達成するか否かによって条件が変化する債券のことを指す。調達資金が必ずしも特定の資金使途に限定される必要はなく、発行体があらかじめ定めた重要な評価指標(KPI)とサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPT)によって評価される。KPIに関して達成すべき目標数値としてSPTが設定され、KPIがSPTを達成したかによって、債券の条件が変化することで、発行体にSPT達成に向けた動機付けを与える債券。

※2:サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPT)
サステナビリティ・リンク・ボンドの商品性を決定する発行体の経営戦略に基づく目標。

※3:Sustainability-Linked Bond Structuring Agent
サステナビリティ・リンク・ボンドの商品設計およびセカンドオピニオン等外部の第三者評価の取得に関する助言等を通じて、サステナブルファイナンスの実行支援を行う者。