ヤマトホールディングス㈱傘下の㈱ナカノ商会は2月3日、「特定技能1号」の中型トラックドライバー候補者として、20代~30代のベトナム人3名を採用し、2月2日に入社式を行ったと発表した。

日本の交通ルールや生活マナー等を学び、日本人トラックドライバーの車両に同乗して補助業務を経験後、2026年6月から中型トラックドライバーとして企業間輸送を担う予定。特定技能制度を活用した外国人ドライバー採用は、ヤマトグループでは初となる。

今回採用された3名。左より、タインさん、トゥエンさん、ファットさん

日本の大型トラックドライバーの平均年齢は、50.9歳と全産業と比べて6.8歳ほど高く(※1)、物流業界では将来的な輸送力不足が課題となっている。日本政府は、人手不足が深刻とされる特定産業分野において即戦力となる外国人を受け入れるための在留資格「特定技能1号」に、2024年3月から「自動車運送業」を追加した。一方、物流企業が特定技能制度を利用するためには、運転技術や日本語能力のある人材を確保し、即戦力として教育する体制だけでなく、来日後に地域住民の一員として生活する上でのサポート体制の構築が求められている。

●ナカノ商会について
ナカノ商会は、東北から九州に持つ物流倉庫と輸送ネットワークを生かし、商品保管から流通加工、輸送等の物流機能を包括的に提供する3PL事業を中心として、小売事業者や食品メーカーなど法人顧客に24時間安定した物流サービスを提供している。2024年12月からヤマトグループに加わり、グループ一体となって法人ビジネス領域の拡大に取り組んでいる。

また、物流と雇用によって社会に貢献していくことを企業使命とし、国籍を問わず多様な社員が活躍、成長できる職場環境の構築を目指している。これまでに日本在住の韓国人、フィリピン人、ベトナム人など11か国の外国人雇用実績があり、約40名の外国人が倉庫内の作業スタッフや管理部門で活躍している。

●候補者の採用と育成について
日本語能力試験N4相当の日本語能力と自動車運転免許を持ち、特に日本での就労経験があるベトナム人を採用した(※2)。候補者に対するサポートや研修だけでなく、配属先の厚木営業所の日本人社員に対しても研修を実施し、即戦力として活躍できる教育体制を構築している。さらに、地域住民の一員として日本での安定した生活と地域社会への参加を支援するため、ナカノ商会で働くベトナム人社員が中心となって生活面をサポートする体制も整備している。

①ベトナムでの入社前研修(2025年2月~2026年1月)
特定技能評価試験合格と日本での生活に向けたサポート
・ベトナムの日本語学校と連携し、日常会話の読解・聴解能力向上に向けた講習
・ベトナムの中型トラック運転免許(C免許※3)以上の取得に向けた講習
・月1回のオンライン面談による、日本での生活や働き方に関する不安や疑問の解消

②日本での入社後研修(2026年1月~2026年6月)
(1)日本での生活と業務従事に向けたサポート
・日本人社員とベトナム人社員が共同で作成したマニュアルを活用し、日本での文化や生活ルールに関してオリエンテーション
(2)運転技術向上と物流業務習得をサポート
・外国の運転免許証から日本の運転免許証への切り替えに向けた講習
・日本の交通ルールと交通文化に関する教育
・日本人トラックドライバーの車両に同乗して、企業間輸送業務の実習

③厚木営業所の日本人社員への研修(2026年1月~2026年2月)
候補者との円滑なコミュニケーションと協力体制構築に向けたサポート
・在留資格や労働条件に関する講習
・文化や習慣の違いと、言語の理解度に配慮した安全教育やコミュニケーションに関する講習

ベトナムで日本語講習を受ける様子

●候補者からのコメント
・ファットさん(29歳)
技能実習生として約3年間、製造業で働いていました。その経験を生かし、他の業界でも働いてみたいと思いました。ベトナムでの入社前研修のおかげで、特定技能試験にも合格できました。まずはいち早く一人前の中型トラックドライバーになりたいです。その後は後輩の教育係や日本の大型免許の取得にも挑戦したいです。日本の風景や食文化もたくさん体験したいです。

・トゥエンさん(37歳)
技能実習生としてトラックドライバーのサポート業務を経験したことがあります。ベトナムではトラックドライバーの管理や自動車修理の仕事をしていました。毎月、ナカノ商会のベトナム人社員の方とのオンライン面談があり、少しずつ新しい仕事の情報を得ることができ、不安が解消されていきました。日本人の真面目さに憧れています。紅葉など四季が感じられることや、落ち着く雰囲気がとても好きです。

・タインさん(34歳)
技能実習生として3年間、自動車部品の鋳造をしていました。日本人の仕事に取り組む姿勢やサービスの利便性に魅力を感じ、日本で働きたいと思いました。特にナカノ商会に入社を決めた理由は、日本で活躍するベトナム人の先輩社員がいることです。ベトナムでトラックドライバーとして働いた経験を生かし、将来的には運行管理者資格の取得にも挑戦したいです。

●今後について
今後も特定技能制度を活用したベトナム人中型トラックドライバーの採用と育成を行い、企業間輸送における運行効率の向上と持続可能な物流サービスの提供を目指す。将来的にはベトナムだけでなく、インドネシアやカンボジア等からの採用も検討していくとしている。

※1:厚生労働省「統計からみる運転者の仕事」https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/truck/work
※2:特定技能外国人(自動車運送業)の採用・育成に関しては、㈱キャムグローバルと協定を締結し、人材紹介と生活支援に関しては、登録支援機関の㈱バイトレと契約を締結し、採用・育成・生活支援を共同で行っている
※3:日本の中型自動車運転免許と同等