物流打明け話

¥2,750

説明

著者:大庭靖雄

元キャリア官僚の著者が自身のキャリアと日本の運輸政策を振り返る、流通研究社ならではの貴重な一冊!

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1975年の旧運輸省入省以後、外務省在オーストラリア日本国大使館一等書記官や新東京国際空港公団企画室長、国土交通省の総合政策局総務課長、九州運輸局長、大臣官房審議官、内閣官房総合海洋政策本部事務局長等を経て、退官後は(一社)日本物流団体連合会理事長、(公財)日本ナショナルトラスト理事長、(一社)日本マテリアルフロー研究センター会長を歴任してきた著者が、物流政策や海洋政策に携わってきた経験を語り尽くした回顧録的作品。日本政府のキャリア官僚として運輸政策の変遷を目の当たりにしてきた著者の経験談は読み応え十分。月刊マテリアフロー誌面での短期集中連載テキストをプロローグとして本編の大部分を新たに書き下ろし、単行本にまとめた。まさに物流専門出版社・流通研究社ならではの貴重な一冊。また、各章の間には、著者が2009年11月から佐賀新聞の「ろんだん佐賀」に投稿したものに加筆した「海のコラム」を掲載し、著者の海洋政策への造詣の深さの片鱗が垣間見られるのも興味深い。巻末には、「月刊マテリアルフロー」創刊60周年記念対談『我が国の物流60年史』をボーナストラックとして再編集し収録。
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目次

第一章 運輸省で働き始める前
(1)巨大タンカーの見学
(2)見習い船員の体験
①出航
②船内の見学
③港に到着
④帰路

第二章 港湾の整備と管理
(1)入省
(2)臨海工業地帯
(3)成長点
(4)港湾の運営
(5)港湾の環境問題

第三章 経済計画と公共投資配分
(1)経済企画庁へ出向
(2)社会資本班の仕事
(3)公共投資配分

第四章 政策の企画部門
(1)総合的な政策
(2)アマゾンの鉱山開発

第五章 海運の国際会議
(1)海運の条約問題
(2)船舶の所有者等の責任制限制度
(3)見直しのための会議
(4)マフィア

第六章 運輸省の組織改革
(1)改革の考え方
(2)分室
(3)各省協議の論点

第七章 国鉄改革
(1)改革方針
(2)国鉄貨物輸送
(3)業務課総括補佐官
(4)法令整備
(5)鉄道の上下分離

第八章 オーストラリア
(1)赴任
(2)石炭の採掘と搬出
(3)航空と観光
(4)距離の克服
(5)労使問題
(6)検疫
(7)印象に残ったこと
①トラリーステーション
②日本びいき
③ベルゲーネル次官補一家
④子供達も外交官

第九章 外国人船員対策
(1)外国人配乗制度
(2)海技の伝承問題

第十章 長崎県
(1)長崎へ
(2)国土軸
(3)長崎空港FAZ
①貨物空港の可能性
②九州国際空港
(4)印象に残ったこと
①新幹線
②手のひら
③数多い思い出

第十一章 複合輸送
(1)物流規制緩和
(2)複合一貫輸送
(3)パレット化
(4)モーダルシフト
(5)鉄道と利用運送
(6)総合物流業
(7)国際フォワーダー協議
(8)平成七年

第十二章 海上保安の国際問題
(1)ロシアとの協議
①海難救助協力
②北方四島周辺海域での安全操業問題
(2)国連海洋法条約の批准
(3)多国間の協議組織の発足

第十三章 成田空港
(1)世界一の貨物空港、日本一の貿易港
(2)地域と共生する空港づくり
(3)空港づくり推進本部
(4)労多くしてキャリア去る

第十四章 二一世紀初頭の物流政策
(1)総合的な交通政策
(2)二一世紀初頭の物流政策
①需要
②規制緩和
③情報化
④環境制約
⑤インフラ整備

第十五章 政策調整
(1)総合物流施策大綱
(2)平成九年大綱の実施状況を振り返る
(3)新しい総合物流施策大綱の概要
①物流の効率化
②社会的課題への対応
(4)私が重視した大綱の新たな施策
①国際的に競争力のあるサービス水準の達成
ⅰ国際競争力の向上
ⅱ国際物流拠点の刷新
ⅲ国際物流拠点の配置
②環境負荷低減型の物流体系の形成 モーダルシフトの推進
ⅰ目標の設定
ⅱ予算措置
③民間事業者の取り組みの促進
ⅰ物流情報化と提案型物流事業(3PL)
ⅱパレット化と標準化
(5)いくつかのトピックス
①同時多発テロと成田空港
②東京都のロードプライシング委員会
③空港周辺の高度利用
(6)総合政策局総務課

第十六章 九州運輸局
(1)着任
(2)安全確保
(3)海フェスタ
(4)九州ブロック
(5)印象に残ったこと
①九州新幹線
②観光
③写真とバイク

第十七章 海事・港湾担当の大臣官房審議官
(1)放置船対策
(2)港湾物流関係三法の改正
(3)水先制度の見直し
(4)戦没・殉職船員の追悼

第十八章 内航貨物船の建造支援
(1)鉄道・運輸機構
(2)船舶共有建造制度
(3)船舶勘定の経営改善
(4)海運事業者の訪問

第十九章 海洋政策
(1)海洋基本法
(2)海洋基本計画
(3)海賊処罰対処法
①海賊の出現
②立法過程
ⅰ政府部内の過程
ⅱ政党・国会議員の過程
ⅲ政府の最終過程
ⅳ国会での立法過程
③主な論点と整理
ⅰ自衛隊の活動
ⅱ海賊行為の範囲
ⅲ武器の使用
ⅳ適用海域
④まとめ
(4)印象に残ったこと
①総理への説明
②国会答弁
③海洋の視察

第二十章 物流の社団法人
(1)日本物流団体連合会
①等身大の物流
②東日本大震災の教訓
ⅰ震災直後の物流業界の対応
ⅱ課題と提言
③新型インフルエンザ
④建物物流
⑤物流いいとこみつけ隊
⑥過疎地の物流
(2)日本マテリアルフロー研究センター

おわりに
「マテリアルフロー誌」記念対談

推薦の言葉

元内閣官房副長官
古川貞二郎氏

日本通運株式会社 元社長・会長・現相談役
一般社団法人日本物流団体連合会 元会長
川合正矩氏

一橋大学名誉教授 元一橋大学学長
元交通政策審議会会長代理
杉山武彦氏

日本貨物鉄道株式会社 会長
一般社団法人日本物流団体連合会 元会長
田村修二氏

日本内航海運組合総連合会 名誉会長
上野トランステック株式会社 会長
上野 孝氏