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川崎汽船、『DRIVE GREEN PROJECT』次世代環境対応フラッグシップを建造

2014/02/12

川崎汽船(株)は、世界最先端の船舶技術を結集して、究極の省エネと環境保全を追及するための『DRIVE GREEN PROJECT』を立ち上げ、ジャパン マリンユナイテッド(株)に発注の7,500台積み大型自動車専用船の1隻をこのフラッグシップとして建造することを発表した。

船舶は、航空機、鉄道、車両等他の輸送モードに比べ最も環境負荷の低いエコロジーな輸送手段だが、舶用ディーゼル機関は重油を燃料とするため、排出ガス中には地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の他に、窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)など、酸性雨や光化学スモッグを引き起こす因子が含まれており、環境に及ぼす影響は無視できない。

同社の『DRIVE GREEN PROJECT』では、車両1台を輸送する際のCO2排出量を極限まで削減するため、船型大型化の追求とともに先進の省エネ技術を投入。CO2排出量を従来型船型と比較し25%以上削減することを目指した。

NOx対策としては世界初となる川崎重工業(株)製の水混合燃料と排ガス再循環装置を組み合わせることでCO2とNOxの排出削減を両立させるNOx生成抑制装置付きエンジンを搭載。SOxについては本邦新開発の三菱重工業および三菱化工機(株)が共同開発した船舶用大型排気ガス浄化装置を搭載し、それぞれ実際の本船上にて試験運用を開始する予定。

これら試験運用は、国土交通省の「平成25年度次世代海洋環境関連技術開発支援事業」(NOx生成抑制装置の開発に係るもの)および、一般財団法人日本海事協会の共同研究テーマ(NOx生成抑制装置および排気ガス浄化装置の開発に係るもの)に採択され、実施する予定だ。

さらに、船内のほぼすべてに省エネ型LED照明を採用するとともに、車両甲板用LED照明の電力供給を再生可能エネルギーでまかなうためにソーラーフロンティア(株)製の太陽光発電システムを搭載することとしたという。

同社は、地球と海洋の環境保全のため、運航船舶の省エネと環境負荷低減のための改善に継続して努めていくとしている。

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