[最新ニュース] その他

矢野経済研、シェアリングエコノミー市場の調査を実施

2017/11/16

(株)矢野経済研究所では、国内のシェアリングエコノミー(共有経済)市場の調査を実施した。

同調査におけるシェアリングエコノミーとは、不特定多数の人々がインターネットを介して乗り物・スペース・モノ・ヒト・カネなどを共有できる場を提供するサービスを指し、音楽や映像のような著作物は共有物の対象外。また市場規模は、サービス提供事業者のマッチング手数料や販売手数料、月会費、その他サービス収入などのサービス提供事業者売上高ベースで算出した。

調査結果サマリーによると、2016年度は、旅館業法施行令が一部緩和されたことや2017年の「民泊新法」成立を受けて、民泊市場への参入事業者が増加した。また、2016年1月にシェアリングエコノミー協会が設立され、その活動によりシェアリングエコノミーサービスの認知度が高まったことも新たな事業者の市場参入を促し、市場規模は前年度比26.6%増の503億4,000万円となった。

2018年6月施行の「住宅宿泊事業法(民泊新法)」において、180日の「営業日数制限」が設定されることとなったため、既存民泊物件の供給数は一時的に減少することが想定されるが、同法の施行後は合法的なサービスを提供しやすくなるため、大手の国内企業及び外資系企業の参入が増加し、市場全体での物件供給数は増加していくと推測する。

また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて訪日外国人客によるシェアリングエコノミーサービスの利用が増加していくと予測。同市場の2015年度から2021年度の年平均成長率(CAGR)は18.0%で推移し、2021年度には1,070億9,000万円に達すると予測する。

シェアリングエコノミーサービス市場は、今後関連する既存業界のサービスを徐々にリプレースしながら成長していくと予測する。例えば、車をシェアするカーシェアリングは自家用車の代替となるため、自動車販売台数を徐々にだが減少させていくと予測する。また、個人宅の宿泊をマッチングする民泊サービスは、ホテル・旅館業界のサービスをリプレースしていくと予測する。なお、ライドシェア企業のタクシー配車サービスのように、既存業界との共存の道を模索する動きも見られる。

その他にも、シェアリングエコノミーサービスは多様なサービスが続々と登場しており、現状はそれらのシェアリングエコノミーサービスの規模は関連する既存業界の規模に比較すると微々たるものだが、今後は既存業界のサービスを徐々にリプレースしながら、また一部では共存しながら成長していくと予測する。

●資料体裁
資料名:「シェアリングエコノミー市場の実態と展望2017~民泊/カーシェア/駐車場予約/クラウドソーシング・ファンディング~」
発刊日:2017年10月17日
体裁:A4判256頁
定価:18万円(税別)

|↑一覧に戻る|