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物流連、マッスルスーツ等の見学・体験会実施  

2015/02/05

(一社)日本物流団体連合会の労働力問題小委員会は1月27日、(株)しまむらとユーピーアール(株)を訪問し、先進事例の見学・体験会を実施した。

まず最初に訪れたのは。神奈川県秦野市のしまむら秦野商品センター。委員会で課題として挙がった「女性の活用」を実践している現場として選ばれた。 同センターは1日の取扱い個数が約10万ケース。基幹センター間の幹線輸送および南関東を中心とする店舗向け配送に対応しており、同社最大規模の通過型倉庫(T/C)と位置付けられている。マテハン機器により高度に省人化され、値札付けなどの流通加工は海外で行っていて、施設内は、トラックとの結節点を除いて人手を要しない体制となっている。 

職員構成は、所長を含む正社員3人と時間給社員数十人(最大時約80人)。全体の約8割が主婦などの女性で、30~40代が中心。時間給社員は、各セクションのリーダー業務を行う「M社員」とそれ以外のアルバイト社員で構成される。意欲はあるがフルタイム勤務は難しい主婦層に対して、柔軟な雇用形態を約30年前から設けている。また、納品されるカートンの重さや大きさに上限を設けるなど、女性にも無理なく作業できる条件を整えている。さらに、勤務シフトや休日計画は、ライフイベント(子女の学校行事や親の介護など)を優先できるよう考慮して女性社員の定着率を高め、長期に渡る勤務を可能とする仕組みが設けられていた。 
   
続いて東京都千代田区のユーピーアー(株)の東京本社を訪問し、パワーアシストスーツを体験した。 物流現場では、女性や高齢者の活躍に期待があるが、現実には倉庫内における手荷役など、肉体的な負担の大きさが課題となっている。同社は、物流の現場で多くの従業員が腰痛に悩んでいることに着目し、重い物を持ったり体を屈めたりする作業を行う際に腰にかかる負担を軽減するパワーアシストスーツ「マッスルスーツ」を開発し、昨年9月からレンタル方式による提供を開始した。 

機器のラインアップは2種類。ホースを繋いで圧縮空気を動力とするタイプとバッテリー電源を動力とするタイプがあり、今回は補助力が大きい前者(最大30kgの補助力)を体験した。参加者は、用意されたビールケース(20kg)を持ち上げ、効果を感じ取っていた。 駆動スイッチの操作などに多少の馴れは必要なものの、強い補助力に加えて作業工程に合わせ補助時間の調整が可能なことや、装着時の違和感が少ないことから、施設内における手荷役などに活用が期待できるという声が寄せられた。 

同社からは、本機器を導入する際のコンセプトについて「作業する人の労働負荷の軽減を目的としている。労働生産性の向上を目指すものではない」という、明確な考え方が示された。 

委員会では今後、この施設見学を踏まえ、年度末に向けて報告書のまとめる予定だ。

●ユーピーアールでの「マッスルスーツ」体験の模様

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