[最新ニュース] IT・マテハン

IHI、深層学習AIを搭載したデパレタイズシステムを販売開始

2017/12/08

(株)IHIと(株)IHI物流産業システムは12月7日、物流設備においてパレットに積まれたケース(段ボール)の荷卸し作業を自動で行うデパレタイズシステムに、AIによる深層学習機能を搭載して認識能力を大幅に向上した世界初の「IHIデパレタイズシステム」を開発し,国内での販売を開始したと発表した。

物流作業の中でも荷卸し(デパレタイズ)作業は,腰痛など労働災害につながる重労働のため作業者の定着率が悪く、作業者の確保がさらに困難になることが見込まれる中で,ロボット導入による無人化・省人化が急務となっている。しかし従来のデパレタイズロボットは、事前の画像データの登録や荷姿・積み付け方法などの情報が必要で、ロボット導入の障害となっていた。

さらに,これらの全情報が揃っていても、パレット上に様々なケースが混載されている場合は従来システムでの対応は困難なのが普通だ。そこでIHIは、AIおよび3次元ビジョンを活用したデパレタイズロボットシステム「Kinema Pick」を開発したKinema Systems社(米国シリコンバレーのベンチャー企業)と共同でAIによる物体認識技術を活用し、事前の画像データの登録やティーチングが不要なデパレタイズシステムを開発。「IHIデパレタイズシステム」(IHI AI Auto Depalletizing System=AADS)として販売を開始した。

AADSは物流ニーズの変化に対応する柔軟な運用を可能にし,処理能力30%向上を実現する。主な特長は以下の通り。
 
<マルチ荷姿・混載パレットへの対応が可能>
ピッキングのたびに最上段のケースの位置・サイズ・回転方向(向き)を認識することで、様々な荷姿や混載パレットへの対応を実現。密着して積み付けられたケース、テープ等の付属物のあるケース、柄のあるケースでもAIが正確に個々のケースを認識。
 
<デパレタイズ能力450ケース/時で従来比30%の能力向上、1台導入で1名の省人化を実現>
AIによる物体認識技術を採用することで認識に要する時間を短縮。ケースの把持ポイント指定と最適なロボットアームの経路計画、それを実現するスムーズな動きで、ケースを最短時間で滑らかに移動させることが可能。複数の小さい吸盤タイプの把持機構により、確実にケースを把持し、ロボットの速い動きにも対応可能。
 
<マスター情報の登録を簡素化>
個別の荷姿や積み付け方法、ケース画像などの詳細登録が不要で、短時間でスムーズなシステム運用が可能。
 
●IHIデパレタイズシステム(AADS)

|↑一覧に戻る|