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東京海上日動が高精度衝撃記録計を導入、収集データで物流改善提案

2017/11/17

東京海上日動火災保険(株)は、高精度な衝撃記録計の導入により物流品質を改善について様々な提案を行うサービスを開始する。

貨物輸送中に発生する振動を精緻に計測する記録計「DER-1000」(神栄テストマシナリー社製)を11月から導入。取得した輸送中の衝撃データを基に、ドライバーの安全運転操作指導や、輸送のルート選択に関するアドバイス、車両の整備方法やラッシング(貨物を積む際に使用するベルト)方法の改善、横転事故・偏重心対策、温度変化対策(結露による水濡れやカビ防止)など、物流品質・方法の改善に向けた提案を顧客企業に行う。

同社ではこれまでも、衝撃記録計を使って貨物輸送における大きな衝撃などのデータ収集・分析を行い、顧客企業の物流品質の改善に向けた提案を行ってきた。しかし輸送中に一定程度の大きな衝撃を検知した際のデータ収集に限定されていた。

一方、顧客の輸送環境を調査する中で、輸送している商品の破損事故などは大きな衝撃がなかった場合でも一定程度発生しており、これまでの計測データではその事故の原因の特定ができていなかった。特に海外での貨物輸送は国内と比べ道路状況などの輸送環境が悪いケースが多い。車両の整備状態が劣悪である場合や、貨物の積み方も悪いケースが多く、輸送品質も均一でないことから、より精緻な輸送状況がわかる機器の導入が必要となっていた。

今後、貨物輸送中にDER-1000を設置することで、輸送中の微弱な振動データまで計測することができ、物流過程において大きな衝撃データのみならず、「連続的に発生する小さな振動」が貨物の破損等に与える影響を測定・分析することができる。具体的には、陸上や海上輸送中であれば輸送トラック・船舶内に設置し、「荷崩れ」や「荷扱い」による製品の破損事故原因について精緻なデータを測定することで事故の発生原因を特定する。また、温度変化による製品への損害についても測定することが可能だ。

国内輸送のみならず、より輸送中の事故リスクが高い海外での貨物輸送中でもDER-1000を設置することで事故原因の特定でき、最終的に貨物の受け渡しがされた際に商品が破損していた場合、出荷からのどの段階で事故が発生したかが特定もできる。

●DER-1000

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