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双日等3社、物流IoTサービスの提供で協業開始

2017/08/28

双日(株)、アイ・サイナップ(株)、京セラコミュニケ―ションシステム(株)は8月28日、新無線通信技術「LPWA(注1)」 の1つであるIoTネットワーク「Sigfox(注2)」を活用した物流IoTサービスの提供で協業を開始したと発表した。

Sigfoxは、低コスト、低消費電力、長距離伝送を特長としたグローバルな通信規格。2009年よりフランスで導入が始まり現在32か国に展開し、2018年までに60か国に拡大する予定だ。Sigfoxを活用したIoTソリューションは、物流、社会インフラ、ヘルスケア・見守り、防犯・防災、農業などの分野で欧州での普及が先行しているが、日本でも普及しつつあり、今後、様々な分野での活用が見込まれている。

物流業界においては昨今、「安全性と効率性の両立」と「環境にやさしい」物流サービスの構築・運用に加え、「グローバルサプライチェーンマネジメントの高度化」と「リアルタイムでシームレスな情報連携」への対応が求められている。双日、アイ・サイナップ、京セラコミュニケ―ションシステムの3社は、このような物流業界が抱える課題解決と物流の生産性向上に向けて、Sigfox関連のセンサ・デバイス、アプリケーションサービスを開発・提供していく。

■各社の役割
双日:Sigfoxを活用した物流IoTサービスの提供
アイ・サイナップ:Sigfoxに対応したセンサ・デバイス開発
京セラコミュニケ―ションシステム:Sigfox無線基地局の設置およびネットワークサービスの提供


■サービスの概要
<特徴>
これまでは「通信料」「電源」「通信基盤(エリア)」の制約により、データ収集・分析ができなかった物流アセットの位置・稼働状況の事業者間での連携および、貨物の発送情報・積載情報等を荷主/ドライバー間でシェアするサービスに焦点を当て開発・提供する。このサービスでは、電池交換が複数年不要なセンサ・デバイスの費用に加え、Sigfox通信費、クラウド利用料の全てを含んだサービスを低価格で利用できることを目標にする。これによって、サプライチェーン全体の効率化および、集配効率の向上、積載量の変動(ムラ)の緩和を図り、物流の生産性向上に貢献する。

<開発デバイス>
・GPSトラッカー(位置・稼働状況の把握)
・GPSトラッカー+温度センサ
・Sigfox基地局測位トラッカー
・ボタンデバイス など

<ターゲット>
各種コンテナ(特殊コンテナ・リーファーコンテナ・ISOタンク)、被牽引車両(トレーラーシャーシ・ウィングシャーシ)、物流機器(通い箱・パレット)および、シェアリングサービス関連事業者(荷主・ドライバー)など。

<スケジュール>
2017年度はサービスに興味のある物流事業者様との実証運用の推進、さらなる改良と検証(仕様の確定)を行い、2018年度内の実用化を目指す。

展示会への出展予定
双日は京セラコミュニケ―ションシステムと共同で、8月29日(火)~30日(水)の期間、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「ロジスティクスソリューションフェア2017」(http://jils-lsf.jp/index.html)にSigfox国内初のGPSデバイスを参考出展する。

(注1)
LPWAとは「Low Power Wide Area」 の略で、低消費電力、km単位の長距離で通信できる無線通信技術の総称。機器のバッテリー消費を抑えながら、データを収集する基地局まで電波を届けることができ、特にIoT(Internet of Things、モノのインターネット)向けなどに有用な技術であると注目を集めている。2017年7月31日時点では、免許不要周波数帯の電波を利用するIEEE802.11ah(Wi-Fi HaLow)、LoRa、Wi-SUN、Sigfoxなどいくつかの規格があり、世界各地で実用化され始めている。

(注2)
SigfoxとはフランスのSigfox社が提供しているIoT用のネットワーク規格。日本では京セラコミュニケーションシステムが事業者となり、国内でのサービスを提供している。ヨーロッパを中心に現在32か国に展開され、2018年までには60か国でのサービス展開を目指している。

■サービス提供イメージ

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