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日建リース工業が活魚輸送用コンテナ発表、世界初の技術を実用化

2017/08/22

日建リース工業(株)は8月22日、世界で初めて実用化した二酸化炭素低活性化技術で、魚を新鮮なまま運ぶことを可能にした「日建 魚活(ぎょかつ)ボックス」を発表した。 

現在の国内の水産業界は、高齢化による漁業者の廃業増加、消費者の魚離れなど、多くの問題を抱えている。魚の消費量が伸び悩む中で生産者の減少する現状において、日本近海で漁獲された魚が、近隣アジア諸国に買い負けする現象もあり、今後持続的に国内で新鮮な魚を安価に消費者が楽しむことができるのか、不透明な状況となっている。

そこで同社が考えた解決策が、新鮮で美味しく食べられる、活きた状態の魚(活魚)をより安価に消費地に流通させていくことで、消費量を増やすことだ。ただ、既存の活魚車での輸送では設備投資が大きく高いコストなり、小さな漁港での活用が難しい。

そこで小さな漁港でも小ロットで安価に活魚を輸送でき、かつ高過密で大容量でも活魚を輸送できる方法を検討した。そうして開発された二酸化炭素低活性化技術では、獲れた魚を二酸化炭素で低活性化させることで、魚を活きたまま、かつ高密度で輸送することを可能にした。

今回発表した「日建 魚活ボックス」はこの技術をコンテナとして製品化したもの。最小限の設備で輸送することで、鮮度は変わらず、低コストでの輸送を実現。高鮮度低コストを実現した。さらにコンテナサイズをコンパクトにすることで、1槽のみでも活魚を輸送できる。また、複数のコンテナを積載することにより、従来の活魚車輌の1.3倍の量が輸送可能。漁獲量に応じた活魚輸送を、適正なコストで実施できる。

薬剤ではなく二酸化炭素で魚を低活性化させた上でコンテナに積載できるため、魚に不要なストレスを与えずに、輸送することが可能。かつ、暴れることもないため、種類ごと、サイズごとに区分けしてのパッケージ化、出荷が可能になる。

同社では、2020年の国際イベントを見据え、より増加するインバウンド需要の中で、日本各地の近海で獲れた活魚を身近に楽しむことできるのは、海外旅行者にとっても、非常に魅力的となり、さらなるリピーター増加につなげることが可能となると分析している。これらの動きを見据え、今回の技術、製品を応用した国内の「活魚サプライチェーン」の構築を図り、活魚を通じての生産者と消費者の、より強固な結びつきを創出していく考えだ。2017年度中に同製品を日本国内にてレンタル・販売し、全国展開する。

なお8月23日から25日まで東京ビッグサイトで開催される「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」で、「日建 魚活ボックス」を出展するほか、会期中のセミナーで活魚輸送の取り組みについて発表する予定だ。

●展示会・セミナー概要
名称:第19回「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」
   The 19th Japan International Seafood&Technology Expo
会期:2017年8月23日(水)~2017年8月25日(金)
時間:10:00~17:00 ※最終日のみ16:00まで
会場:東京国際展示場 “東京ビッグサイト” 東7・8ホール
セミナー:2017年8月25日(金) 13:00~、セミナーA会場

●「日建 魚活ボックス」

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