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三井住友建設、物流施設向けのスクライム-PC工法を開発

2017/03/29

三井住友建設(株)は3月29日、建築の超高層マンション分野において高品質・高速施工を可能とする「スクライム工法」「スクライム-H工法」に、土木の橋梁分野で同社が技術優位性のある「プレストレストコンクリート(PC)技術」を融合させた、物流施設向けプレキャスト・プレストレストコンクリート工法(「スクライム-PC工法」)を開発した。

同社はこれまでに、鉄骨(S)造に加え、柱を鉄筋コンクリート(RC)造、梁をS造とするハイブリッド構造の「ミック構法」や、同構法の工期短縮を実現する、柱をプレキャスト(PCa)化した「ミックPCa構法」を開発してきており、昨今の大規模化、機能や品質の向上、早期稼動など、多様化・高度化する物流施設に対する事業主のニーズに対応すべく「スクライム-PC工法」の開発に取り組んだ。

同工法は、PCa柱、短スパン方向は柱梁接合部一体型のPCa大梁(スクライム大梁)、直交する約12mのロングスパン方向はPC技術を適用したPCa大梁(スクライム-H大梁)と、すべての主要構造体がRC製の部材により構成されており、RC造のメリットである梁・床の変形や振動の低減に加えて、大スパンを可能とするPC技術、そして高いPCa化率と施工性に優れた「スクライム技術」を融合することによって実現した。

ロングスパン方向は、ポストテンション方式のPC技術を用いることによって、物流施設における大きな積載荷重に耐えつつ、大スパン構造を実現し、免震構法と組み合わせることで、耐震壁や筋交いなどの耐震要素のない、フレキシブルな内部空間の利用が可能。さらに、品質管理の行き届いたPCa工場で全ての構造部材を製作することにより高品質化が図れ、「スクライム技術」を採用することにより短工期化を実現している。

物流施設の工法において、S造、柱RC梁Sハイブリッド造(ミック構法、ミックPCa構法)に、今般開発した「スクライム-PC工法」が加わり、今まで以上に適材適所で事業主のニーズに幅広く対応可能となった。

●スクライム-PC工法

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