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三進金属工業、フォークリフトのバッテリーを非常用電源に活用

2016/08/01

三進金属工業(株)は7月27日、震災などの停電時にフォークリフトのバッテリーを利用して同社製の電動式移動ラックを運転可能にする非常用電源供給装置「タナコン KEEPs」の販売を開始した。産業用ラックでは日本初となる。

同社グループは、主力製品のスチールラックを物流施設などに幅広く供給しており、電動式移動ラック(製品名「タナコン」シリーズ)の販売実績は2,000件を数える。「タナコン」シリーズは、スペースを有効利用し保管効率を高めるため、普段は通路なしでラック列を集密させておき、フォークリフトの進入時のみ、必要なラック列をモータ台車で移動させて通路を開ける仕組み。

収納効率が高く荷物をスムーズに取り出せるため、生産性向上に有効な反面、災害における停電時や電線の切断などで電力供給が停止した場合、荷物が取り出せない課題もあった。タナコン KEEPsでは、常時充電してあるフォークリフトのバッテリーを電源として利用し、緊急時にも移動ラックからの入出庫が可能となり、BCPの対策として重要である“どんな時でも必要な荷物を取り出せる”ことを実現した。

使用するには、まず動かしたいラック列の近くにフォークリフトを移動してバッテリー電源をタナコン KEEPsにつなぐ。タナコン KEEPsからの電力供給ケーブルを「タナコン」シリーズの専用コネクタにつなげることでモータに電力を供給する。仕組みとしては、直流48Vのフォークリフト電源を、タナコン KEEPsで三相交流200Vに変換して、「タナコン」シリーズのモータを直接駆動させる。

KEEPsシリーズは、LED 照明機器の販売やコンサルティングを手掛ける(株)KOHDENが開発してきたフォークリフトバッテリーを非常時の一般電源として使用できる機器の総称。今回、三進金属工業の「タナコン」シリーズに対しての適応を共同で行った。同社では年間10件程度の引き合いが見込まれるとしている。

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