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情報通信研究機構、暗号化通信によるドローン配送を実験

2016/04/13

国立研究開発法人情報通信研究機構は4月12日、学校図書室の本を別の学校へドローンを使って配送する図書配送システムの実証実験に成功したと発表した。

実証実験は4月11日、(株)プロドローンと共同で、国家戦略特別区域(地方創生・近未来特区)の秋田県仙北市で実施した。実験に参加した小中学生ほか仙北市市長をはじめ地元住民が見守る中、ドローンに約1kgの図書を積載し、高度約50m、距離約1.2kmの自動航行に成功した。

今回の実験は、ドローン、地上局、図書室端末、配送管理端末、データサーバで構成されるシステムの通信に暗号通信を適用したのが特長。ドローン制御の乗っ取りや情報漏えいを完全に防御した環境で配送サービスを実施できることを確認した。

ドローンの関連サービスが様々に立ち上がる中、ドローンと地上局との遠隔制御に使われる無線通信は、傍受や干渉、妨害の影響を受けやすく、安全性に課題がある。現状では、標準的な暗号化すら行われていないケースが多く、ドローンの制御通信における情報セキュリティ対策は不十分だ。乗っ取りや情報漏えいを完全に防御したドローンと地上局間の制御通信の安全性を確立することが急務となっている。

情報通信研究機では今後も仙北市での実証実験に継続して参画し、運用技術やノウハウを蓄積していく考えだ。

●(上)暗号化通信制御の概念図、(下)図書を搭載したドローンとその暗号化装置

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