[最新ニュース] IT・マテハン

豊田自動織機、燃料電池フォーク実用化モデルの実証開始

2016/02/19

(株)豊田自動織機は2月18日、開発を進めている燃料電池フォークリフト(FCフォークリフト)実用化モデル2台を、新たに3月から関西国際空港国際貨物地区に導入し、実証を開始すると発表した。

今回の実証では、ANAグループ(ANA関西空港(株))、およびJALグループ(日航関西エアカーゴ・システム(株))の協力の下、各社でFCフォークリフトを運用しながら、CO2削減効果や作業性の改善効果の確認を行う。

豊田自動織機は、2015年2月から環境省の「燃料電池フォークリフトの実用化と最適水素インフラ整備の開発・実証事業」として、FCフォークリフトの普及に向けた実用化開発を進めている。この実証事業では、既に第1弾として2015年2月よりFCフォークリフト1台を運用し、連続して高稼働な荷役作業が行われる空港物流におけるCO2削減効果の確認および稼働データ収集を行ってきた。

第2弾として今回導入する実用化モデルのFCフォークリフトは、トヨタ自動車(株)の燃料電池自動車(FCV)「MIRAI」と同じ燃料電池セルを使用した新開発のフォークリフト専用FCシステムを搭載している。自社開発のFCV部品や電動フォークリフト部品を活用し、低コスト化、信頼性向上に取り組んでいる。

FCフォークリフトは、エンジンフォークリフトに比べ、稼働時にCO2や環境負荷物質を排出しない優れた環境性能を有する。約3分で燃料充填を行い、充電や電池交換なしで連続稼働が可能なことから、電動フォークリフトと比較して稼働効率を大幅に向上させることが可能。物流現場において、空港や工場、市場などでは、フォークリフトの使用台数が多く高稼動であることから、FCフォークリフトの導入による環境負荷低減効果および作業性の改善効果が高いと予測される。

同社は産業車両のトップメーカーとして、水素社会の実現に向けて、高い環境性能と経済性を両立するFCフォークリフトの早期の実用化、2016年度中の本格導入を目指して、研究開発に取り組んでいく考えだ。

実証実験の概要
期間:2015年2月から2017年3月末まで
場所:関西国際空港 国際貨物地区(大阪府泉南市)
内容:FCフォークリフト 1台(2015年2月より実証中)
   実用化モデルFCフォークリフト 2台(2016年3月実証開始を計画)

FCフォークリフト実用化モデル

|↑一覧に戻る|