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日立、SAP Forumでビッグデータ活用の配車システムをデモ展示

2015/11/16

SAPジャパン(株)がパートナー企業とともに各種製品、サービスを発表する展示会「SAP Forum Tokyo」が11月12日、都内で開かれた。この中で(株)日立製作所は、ビッグデータによる混雑状況などの予測結果を地図上で可視化するシステムを、タクシー配車で応用したデモ展示を行った。

このシステムは、首都圏の混雑状況データをSAPのデータ処理プラットフォーム「SAP HANA」で処理することで、現在の混雑箇所を把握。その混雑箇所から数十分後に移動する可能性が高い複数地点を日立の超高速データベース「Hitachi Advanced Data Binder」に格納したビッグデータから将来予測を行った。予測結果はESRIジャパン(株)のソフトウェア「ArcGIS」で地図画面上に高速に表示される仕組みだ(写真)。

今回、東京大学空間情報科学技術研究センターが提供した約130万人分の移動履歴やその交通手段に関するデータを活用し、ある特定日時における人流データを現在の状況と仮定し、タクシーの最適配車を想定したシミュレーションを実施した。

SAPジャパン パートナー統括本部 戦略パートナー本部 ビジネスディベロップメントの吉田彰氏は、同システムの物流での活用について、「ビッグデータの中から混む可能性が高いルートを予測してて、トラックに最適なルートを指示できるほか、販売と掛け合わせるなら、コンビニでの品切れを予測して、配送ルートを変える使い方もできる」と語る。

そのほか同システムでは、大都市圏における複雑な都市交通インフラの効率化や、インフラ設備の故障予兆把握と・保守点検ルートの最適化での活用を視野に入れている。既に複数の自治体から具体的な問い合わせを受けるなどしており「今後のビジネス化に向けて一つひとつを形にしていきたい」(吉田氏)という展望だ。

「ArcGIS」により地図画面上に混雑箇所や移動予測を表示

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