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ZMP、物流支援ロボット台車「CarriRo」の受注開始

2015/08/28

ロボット開発ベンチャーの(株)ZMPは8月26日、物流支援ロボット「CarriRo(キャリロ)」の受注開始を発表した。価格(予定)は3年リースプランで月額2万4,000円(税別)。2016年初旬に出荷を開始する。

CarriRoは、同社のロボット技術を適用した運搬用台車。作業者の負荷軽減や運搬量の増加、自動化による生産性向上を目指して開発が進められてきた。モーター動力で負荷を軽減するアシスト機能、作業員に複数の台車が追従して進むことで運搬量を増やす“かるがも”機能を持つ。開発当初、指定エリアを自律走行する機能もアナウンスされていたが、初期出荷モデルでの搭載は見送られた。物流企業やメーカーなどの現場における実証実験の結果を踏まえて仕様を見直した。

今回の発表では、オプション機能として「IoTパッケージ」の追加が明らかにされた。同日の記者会見に出席した谷口恒代表取締役社長は、「CarriRoのセンサー情報を活用することで台車で運ぶ作業を“見える化”すれば、課題を把握、解決して生産性を上げることができる」と語った。

具体的には、加速度センサーで荷物を乱暴に扱った状況を記録し、荷物の破損があった場合に原因を特定する、CarriRoが障害物を回避した記録が動線変更などの改善につながるといった応用例を示した。さらに経営管理ソフトや在庫管理ソフトとリンクすることで、経営改善も可能になるとした。

また、記者会見に同席したTHK(株)常務執行役員IMT事業部長兼THKインテックス(株)取締役副会長の星野京延氏は、自律走行を含めたCarriRoで使われている技術を「CarriRoシステム」と呼び、その可能性を高く評価。「かなりのポテンシャルがある。工作機械ロボットに部品や材料を供給するといった現場で縦横無尽に走るようにしたい」と、同社の開発構想を発表した。今後の見通しとして「必ずや近い将来、大きなマーケットになる。事例を重ねて(CarriRoシステム)製品を大量に出していきたい」とも語った。

谷口社長のプレゼン(上)と“かるがも”機能のデモンストレーションの様子

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