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シーネット、物品のピッキングシステムで特許取得

2015/08/11

(株)シーネットは8月6日、物流現場の設備コスト削減と生産性向上を目的とした「物品のピッキングシステム」の特許取得を発表した。現在、ピッキングソリューション「ボイデジ」として提供中だ。

同システムは、出荷量の多いAランク品にのみ設備コストが多額なデジタルピッキング装置を利用し、出荷量が少ないBCランク品は一般棚に保管し、音声認識システムを利用して作業を行う仕組みを構築するもの。ABC品のランク分析は、一定期間におけるピッキング数量をシステムで自動比較し、ロケーションの入れ替えを行う。出荷量の多い品は常にデジタルピッキング制御装置の作業対象となり、出荷量の少ない品は一般棚で音声認識ピッキング制御装置による作業対象になる。

デジタルピッキング装置は、デジタル表示によりヒットした商品が一目でわかる半面、動線が長い場合には表示を探す無駄があり、一方、音声認識システムは、音声の指示でダイレクトにロケーションに移動することができる半面、隣り合うロケーションがヒットした場合には指示を聞く無駄がある。この2つのシステムを連携させることで、互いの欠点を補うシステムとなり、設備を有効利用し、かつコストを抑えて高い費用対効果が期待できるとして、特許に登録された(特許第5719137号)。

同社ではこのほか、音声認識システムのビジネス特許を2件取得、1件を出願中だ。取得済み特許のうち1件は、物品の出入管理システム(特許第5117060号)。物品を管理するための作業指示を音声出力するのに加え、作業者の応答音声を認識して順次作業内容を確認。作業結果を作業の進行に合わせて自動的に確認することで、コンピュータの端末操作を極小化する。

もう1件は、計量管理方法と計量管理システムと計量管理プログラム<特許第5230255号、味の素エンジニアリング社と共同取得>。作業者に対して合成音声を用いて確認メッセージを出すことで生産現場における計量・調合作業ミス(原料間違い、重量間違い、調合順間違い)を防ぎ、作業を円滑かつ確実に支援するシステムになっている。

また、音声検品システムを特許出願中で、荷積みや荷下ろし時に適した順番で品物の名称などを読み上げることで作業を効率化する。

同社では音声認識システムの導入したソリューションを様々に提供する中で、特許技術を用いたさらなる発展の可能性も検討しており、アライアンス(提携)も積極的に募集する姿勢だ。

「物品のピッキングシステム」イメージ図

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