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日立製作所、無人搬送車の高精度自律走行技術を開発

2015/08/06

(株)日立製作所は8月4日、無人搬送車が倉庫内の配置図をリアルタイムに更新し、自車の位置を認識しながら自律走行する技術を開発したと発表した。

物流倉庫などで商品を棚ごと搬送する無人搬送車を想定した技術で、搬送による商品棚の移動を検知し、配置図をリアルタイムに更新。この配置図と距離センサーで計測した柱や商品棚の位置情報を照合することで自車の位置を認識する。床面に走行ガイド用マーカー敷設しなくても、自律走行が可能となる。

近年、通販市場の拡大や消費者ニーズの多様化に伴い、多品種少量の商品を扱う倉庫が増える中、倉庫での作業をより効率化するため、作業員が商品を取りに棚へ移動するのではなく、作業員のもとへ必要な商品を棚ごと搬送する方法が導入されている。同社ではそうしたソリューションを実現する小型・低床式無人搬送車「Racrew」を開発し、2014年9月から販売している。

今回、開発した技術を使って一般的な無人搬送車の利用環境である70m四方の建屋内を走行シミュレーションをコンピューター上で実施した結果、平均誤差10mmで自車の位置を認識できることが確認された。また、既存の「Racrew」に搭載して、床面マーカーを敷設していない小規模な実証スペースで商品棚の搬送を繰り返す実験を行ったところ、搬送によって変化する商品棚の配置をリアルタイムに配置図に反映させながら自車の位置を認識し、自律走行と商品棚の搬送作業が可能であることも確認した。

同社は今後、この技術を適用した「Racrew」の実用化をめざして研究開発に取り組む予定。また、成果の一部を29月3日~5日まで東京電機大学で開催される「第33回日本ロボット学会学術講演会」で発表する。

●距離センサーを搭載した「Racrew」と「Racrew」が棚を運ぶ様子

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