[最新ニュース] IT・マテハン

日立物流、無人搬送車による新ピッキングシステム導入

2015/05/29

(株)日立物流は5月28日、(株)日立製作所の小型・低床式無人搬送車「Racrew(ラックル)」を活用した新型ピッキングシステムが、関東地区の物流センターで本格稼働を開始したと発表した。

ラックルは、商品保管棚の下に潜り込んで棚を持ち上げ、棚ごと指定したピッキングステーションまで運搬する自動搬送車。自己位置を認識しながら作業効率を最大化する保管棚の最適配置や搬送順序、ピッキングステーションへの割付け、充電などを自動制御するほか、衝突防止や人との接触を事前に回避する安全面の機能も兼ね備える。

導入した物流センターは adidas Group の商品を取り扱い、従来は作業員がピッキングリストを持ちながら保管棚に商品を取りに行く方式だったが、ラックルの導入でピッキング作業員のもとに保管棚が運搬されてくる「人を歩かせない作業」が可能となった。

今後は作業効率を3倍に向上させ、省力化・省人化を図る計画だ。また今回、保管棚への商品補充作業と出荷作業を同時並行で行うといった煩雑になりやすい作業も可能となった。

従来の自動倉庫は、効率面でメリットがある反面、導入や撤去の工事期間とコスト、さらには拡張性などの点でデメリットがあった。一方、人を主体とした作業は、柔軟性やコスト面ではメリットがある反面、生産性の不安定といったデメリットに加え、昨今の人件費上昇、将来に向けては作業員の確保に対する懸念も抱えており、その両者を解決する新たな作業方式として今回の採用となった。今後は同センター内での導入範囲拡大と、全国の物流センターへの導入を計画している。

●新型ピッキングシステムの全体概要

|↑一覧に戻る|